グッドブリッジ税理士法人

企業ぐるみで子育て家庭を支援! 『次世代法』の行動計画とは

22.07.12
ビジネス【労働法】
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『次世代法(次世代育成支援対策推進法)』は、次世代を担う子どもたちを育成、または育てようとする家庭を企業や自治体など、社会全体で支援することを目的とした法律です。
企業に対しては、子どもを育てやすい環境づくりを目指した行動計画の策定を求めており、目標達成企業は認定を受けることで『くるみんマーク』を取得できます。
今回は、次世代法に関する企業の責務や、マークの取得方法について説明します。
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次世代法で定められた行動計画の策定や公表

次世代法に基づいて、行動計画を策定することになった時、どのようにすればよいかわからず、戸惑っている中小企業の担当者も多いかもしれません。
次世代法において、求められる行動計画、『一般事業主行動計画』は労働者の数によって、策定が義務付けられている企業と、努力義務となっている企業があります。
計画を策定し、目標を達成することで、子育てサポートに取り組んでいる企業だとアピールできるため、義務付けの対象でなくても策定すればメリットがあります

次世代法で行動計画の策定・届出、公表・周知が義務付けられているのは労働者が101人以上の企業で、100人以下の企業は努力義務となります。

策定にあたっては、まず、自社の課題を知るために、妊娠・出産を機に退職する従業員数や育児休暇を取得している従業員数など、自社の現状を把握しましょう。
次に、『仕事と子育ての両立で苦労している点』や『支援制度に対する満足度』などを従業員にヒアリングし、自社の課題を洗い出していきます。

自社の課題がわかったら、優先順位や計画期間、目標などを決めていきます。
目標は、「令和○年までに育児休業取得率を○%とする」のように具体的な数字にしましょう。

行動計画を策定したら、おおよそ3カ月以内に従業員に計画を周知し、一般にも公表します。
公表の仕方としては、自社のホームページに掲載するのほか、自治体の広報誌や、厚生労働省のWebサイト『両立支援のひろば』に掲載するという方法もあります。
同時に行動計画の策定届を各都道府県の労働局に提出し、計画に沿って取り組みを進めていきます。

この行動計画に基づいて目標を達成するなど、一定の基準を満たした企業は、『子育てサポート企業』であるとして、厚生労働省が認定する“くるみん認定”や“プラチナくるみん認定”を受けることができます。
これらの認定を受けていることで、国から正式に子育てのしやすい環境が整っている企業だと認められたことになります。

では、認定を受けるとどのようなメリットがあるでしょうか。

まず、企業イメージが向上します
認定を受けると、くるみんマークやプラチナくるみんマークが取得でき、マークを自社のホームページや広告、チラシや名刺などで使用できます。
対外的にも子育てサポート企業であることをアピールできることから、会社のイメージアップに貢献できるでしょう。

また、育児休業が取りやすい企業は、働きやすそうな企業だと思ってもらえる可能性があるので、認定マークを取得していれば、採用の現場でも有利に働きます
また、認定に向けた取り組みを進めることで、職場環境が改善し従業員の産休や育児による離職を防ぐことにもつながります
社員に長く働いてもらいたいと考えている企業は、ぜひ認定の取得を検討してみましょう。


認定基準が厳しくなった、くるみんマーク

これまで以上に育休取得の促進を図るため、2022年4月1日に、くるみんやプラチナくるみんの認定基準がより厳しくなりました。

くるみんについては、男性の育児休業等の取得に関する基準がこれまでの取得率7%から、10%以上に引き上げられ、男性の育児休業等・育児目的休暇取得率も15%から20%以上になりました。
育児休業とは、法律に基づき休業を取得できる制度で、育児目的休暇は会社の規定に基づいて、休暇を取得する制度という違いがあります
また、男女の育児休業等取得率等を両立支援のひろばで公表することも認定基準に加わりました。

まとめると、くるみんを取得するには、男性の育児休業等取得率が10%以上、男性の育児休業等・育児目的休暇取得率が20%以上で、取得率等を両立支援のひろばで公表することが条件になります。

くるみんよりも認定基準が厳しいプラチナくるみんの取得では、男性の育児休業等取得率が30%以上、男性の育児休業等・育児目的休暇取得率が50%以上になったことに加え、女性の継続就業に関する基準も改正されました
出産した女性や、出産予定だったが退職した女性のうち、子どもの1歳時点の在職者割合が、これまでは55%以上だったのに対し、改正後は70%になりました。
出産や育児による女性の離職をより防ぐため、基準が強化された形になります。

さらに、今回の改正では、改正前のくるみんと同じ認定基準を設けた『トライくるみん』や、不妊治療と仕事との両立に関する認定制度なども新設されました。

くるみんマークの取得を目指して社内環境を整備していけば、従業員が定着しやすくなる可能性が高く、取引先や求人など社外イメージの向上にも役立ちます。
次世代法の内容をよく理解し、子育てサポート企業を目指していきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。