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不貞は不法行為! 法律上の不貞認定と慰謝料の相場

20.09.08
ビジネス【法律豆知識】
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近頃、たびたび有名芸能人の不倫ニュースが世間を騒がせています。
今や芸能界に限ったことではなく、身近な人から不倫をしているという話を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか。
しかし、不倫は、道徳的に非難を受ける行為であるのはもちろん、法律上の責任追及を受ける恐れのある行為でもあります。
男女間の付き合いのなかで何をどのようにしたら不倫と決められるのか、不倫をしたらどのくらいの賠償責任が生まれるのか。
今回は、不倫にまつわる法律の基本的な知識をおさらいします。
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意外と知らない、不貞と定められる範囲

まず、法律用語に不倫という言葉はなく、『不貞』といいます。
そもそも、不貞によって法的な責任を負わなければならないのは、不貞が不法行為に該当するからです。
しかし、一言に『不貞』といっても、その範囲は人によって捉え方が異なるのではないでしょうか。
たとえば、手を繋ぐだけでも不貞だと思う人もいれば、いよいよ肉体関係があって不貞だと思う人もいます。
この点において裁判所は、基本的には通常性交または性交類似行為にあたる行為があった場合に、不貞行為に該当すると考えています。

ちなみに、多くの人が、「好意を持った異性と関係を持つのは不倫だけど、風俗店であればお金を払ったうえでの関係で、恋愛感情もないから不倫ではない!」と思っているかもしれません。
しかしながら、上述の通り、裁判所の考えというのはあくまでも性的な関係を持ったかどうかですので、風俗店に通うということは少なくとも性的類似行為をしていると見なされる可能性が十分あるため、不貞の例外ではないのです。
ただし、風俗店に通っていた人の配偶者が風俗店の従業員に賠償を迫っても、性的なサービスを提供した側にとっては正当業務行為であり、違法性がないとして慰謝料請求は認められないことがあります。

では、交際相手が未婚だと思って肉体関係をもったのに、実は既婚者であることを後から知った、という場合はどうでしょうか。
不貞というのは、保護されるべき利益を『故意または過失』によって侵害した場合に成立するものです。
たとえば、まったくの落ち度なく、交際相手が未婚だと信じた場合には、『故意または過失』によって加害行為に及んだわけではないので、不貞にはなりません。
しかし、肉体関係を持つまでに、既婚者ではないかと疑って当然という事情があった場合は、たとえ自分としては100%相手を信じていたとしても、気が付かないことに落ち度があったと判断され、裁判所から不貞であると認められてしまう可能性が高くなります。


事案ごとに異なる慰謝料の金額

不貞行為により精神的苦痛をうけた不倫相手の配偶者から、賠償として慰謝料を請求されてしまうケースは少なくありません。
不倫をしてしまったとき、不倫相手の配偶者から請求を受けたら、どの程度の金額を支払わなければならないのでしょうか。

不貞における慰謝料金額は、法律による定めがあるわけではなく、計算して決めるものでもありません。
交際期間や不貞につながる行為の回数、または浮気が原因で離婚に至ったか、子どもの有無などの個別事情によって変わってきます。
そういったなかで、昨今、裁判例で認められている不貞慰謝料の相場は、おおよそ100万円~200万円といったところでしょう。

もちろん、それらはあくまでケースバイケースであって、金額は相場よりも上がることもあれば、下がることもあります。
たとえば、不貞そのものがごく短期間のもので、夫婦の関係性にも大きな影響はなかったという場合には、不貞慰謝料は上記相場より低くなる可能性があります。
不貞を原因に交際相手とその配偶者が離婚するに至った場合や、何年にもわたって関係があり、不貞関係のまま子どもを儲けていた場合では、相場を大きく超えて500万円以上になる可能性もあります。

では、いざ不貞をしてしまった側が、実際に不貞相手の配偶者から慰謝料の請求を受けたらどうすればよいでしょうか。

その場合、一般的には、相手との交渉を弁護士に依頼する方法が多くみられます。
特に相手が法外な請求と考えられるような大金を請求してきたり、連絡がしつこすぎるため直接的なやりとりを避けたいといった場合には、弁護士など専門家に依頼するほうが安心といえるでしょう。
ただ、弁護士に交渉を依頼するとなると、それなりの費用がかかります。
特に相手が弁護士をたてておらず、請求額もそう大きくないというときは、弁護士が入ることで逆に相手との対立関係を強くしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

まずは男女トラブルを防ぐためにも、日頃から不貞行為におよぶようなことを避けることが懸命といえます。


※本記事の記載内容は、2020年9月現在の法令・情報等に基づいています。