グッドブリッジ税理士法人

Webサイトに著作物を利用する際の注意点

19.08.13
ビジネス【企業法務】
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起業する際、事業開始の初期コストを抑えるのに効果的であることから、インターネットを利用してビジネスを行うことは、今では一般的になっています。
しかし、さまざまな場面において、インターネット利用に特有の、守らなければならないルールというものに直面することになります。
今回は、インターネットを通じたビジネスにおいて生じる著作権の問題について、ご説明します。
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写真の場合、撮影者の使用許諾が必要

たとえば、あなたがECサイトを運営して通信販売事業を行っているとします。
買い主となる顧客に対して商品を売るためには、その商品がどのようなものか、商品の写真をサイトに掲載したいと考えると思います。
しかし、商品写真をサイトに掲載するにあたっては、その写真の著作権についての留意が必要です。
すなわち、商品の写真は“著作物”にあたるため、その写真を撮影した人が著作権を有することになります。
自分で撮影した商品写真を掲載するのであれば問題はありませんが、他人が撮影した商品写真を無断でサイトに掲載することは、写真の著作権侵害に該当します。

なお、写真に写っている商品が、絵画作品や写真作品など、それ自体が鑑賞の対象となる著作物であるような場合には、本来、写真の撮影者の著作権だけでなく、当該絵画作品や写真作品の著作権にも配慮する必要があります。
しかし、著作権法上、美術品や写真をインターネットオークションや通信販売などで取引する際には、著作権者の許諾を得ることなく、その商品画像をインターネット上に掲載してよいことになっています(著作権法47条の2)。
ただしその場合でも、掲載する画像の解像度は3万2,400画素以下(デジタル著作権管理を行っている場合は9万画素以下)に抑えなければなりません。
あまりに鮮明な画像を掲載すると、その画像が複製されて広く流出した場合に著作権者の経済的利益を著しく害する可能性が出てしまうからです。


一定の条件のもと自由に使用できる著作物も

写真に限らず、インターネット上で入手できる著作物を複製するなどして利用する場合には、基本的に当該著作物の著作権者の許諾を得る必要があります。
許諾の条件としてライセンス料の支払いが必要となることもあるでしょう。
なお、著作物のなかには、『クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下、CCライセンス)』といって、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません」という一定の条件をあらかじめ表示して公開しているものもあります。
CCライセンスを表示している著作物は、ライセンス条件の範囲内での配布や利用ができるので非常に便利といえます。
ただし、“営利目的の利用をしないこと”を条件としているものも多いので、ビジネスで利用したい場合は注意する必要があります。


リンクを貼る行為は著作権法違反になる?

上記のような問題とは少し異なりますが、「サイト上にほかのサイトのリンクを貼る行為は著作権法違反になるのか」といった問題もあります。
これについては、リンクの掲載だけでは基本的には著作権侵害に当たることはないと思われます。
しかし、たとえば、違法にアップロードされた動画コンテンツのURLリンクを、違法アップロードされたコンテンツと知りながらリンクを貼った場合には、著作権法違反となり得ます。
なお、著作権法違反でない場合であっても、リンク先の情報を自己の利益を図るために不正に利用しているといえるような場合や、リンク先に被害を与える目的があるといえるような場合には、民法上の不法行為として損害賠償などを求められる可能性はありますので注意が必要です。
 
このように、インターネットを通じてビジネス展開をする場合、何らかの形で、著作権などの法的問題に直面するものです。
事業者は、自社サイトの掲載内容を定期的にチェックしましょう。
また、新商品のプロモーションをする際には著作権侵害などに当たらないか気を配ることが大切です。


※本記事の記載内容は、2019年8月現在の法令・情報等に基づいています。