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治療法が知りたい! 病院にカルテ開示を求めるには?

19.06.25
ビジネス【法律豆知識】
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人生100年時代が訪れようとしている昨今、健康と長生きを両立させるには困難がつきものです。 
飲酒や喫煙をせず、暴飲暴食も行わず、適度な運動をするなど、どんなに規則正しい生活を心がけていても、病気にかかることは防ぎきれません。 
そして、病気の治療を受けたとき、自分がどんな病気で、どんな治療を受けたのか、自身の治療法などが気になることもあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが、カルテ開示という方法です。
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病院にカルテ開示を求める方法

病院側にカルテ開示を求める場合、どうすればいいのでしょうか。
私立病院なのか、国立病院なのか、それとも公立病院なのかによって、方法は違ってきます。
それぞれ見ていきましょう。

通っていたのが私立病院の場合、個人情報保護法28条に基づき、カルテの開示を求めることができます。
さらに、たとえば弁護士などの第三者を任意の代理人として、請求することも認められています(同施行令11条等)。
ただし無料ではなく、病院は合理的な範囲内で手数料を徴収することが認められています(同法33条)。
具体的な金額は個別に判断するしかないとされているため、病院ごとに違っています。
たとえば、A病院では開示手数料1,000円とカルテのコピー代として1枚50円だが、B病院ではカルテ1枚につきコピー代を含めて手数料1,000円ということもあり得ます。
カルテの枚数が1枚だけなら大差ありませんが、病気が重ければ重いほど、通院期間が長ければ長いほど、カルテの枚数が増えますので、どういう手数料制度になっているのかによって、金銭的負担が大きく違ってきます。

一方、国立病院等の場合、私立病院とは違う法律(独立行政法人等が保有する個人情報の保護に関する法律)に基づいて、カルテの開示を求めることになります。
国立病院でも開示手数料はかかりますので、法律の名前と条文数が違うだけと思われるかもしれません。
しかし、国立病院の場合、任意代理による請求は認められていません。
そのため、本人または法定代理人が直接病院に行くのが困難な場合には、郵送で請求することになります。

なお、さらに地方自治体が運営している公立病院の場合、各自治体が定める個人情報保護条例に基づいて請求することになります。
すべての自治体に個人情報保護条例は制定されており、その多くは法律と大きな違いはないかと思います。


医療過誤の場合はほかの方法でカルテ取得を

上記手続は、開示請求を受けて、病院が開示手続を行うものです。
そのため、たとえば、医療ミスがカルテに記載されており、すでに病院と揉めている状況でカルテ開示を求めると、改ざんされたカルテが出てくるかもしれません。
病院との紛争が予想され、改ざんのおそれがある場合には、証拠保全などの別の手続によりカルテを取得したほうがよいでしょう。
単に自分が受けた治療を知りたいときには、カルテ開示を請求してみてください。


※本記事の記載内容は、2019年6月現在の法令・情報等に基づいています。