グッドブリッジ税理士法人

スタッフお勧めの一冊 「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」 中村敦美

13.03.21
スタッフ紹介
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 今月より不定期ではございますが、スタッフによります読書感想文の配信をさせて頂きます。

 初回となります今回は、事務所の期待の成長株・中村による「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間を読んで」です。

 ザ・リッツ・カールトンは言わずと知れた世界中に多くのファンを持つ一流ホテルです。顧客サービスにまつわる多くの「神話」を生み出してきたとも言われており、感動を生むサービスが業界での差別化を図り、その評価を確固たるものにしてきました。

 本書ではその秘訣を現職の責任者が詳しく紹介する内容となっております。

 感想文本文からは、リッツ・カールトンのホスピタリティの原点についてはもちろん、それを仕事に活かそうと真摯に向き合う中村の姿勢も垣間見ることができると思います。

 是非、ご一読ください。

『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間を読んで』    中村敦美

 

 本書を読んで真っ先に感じたのが、リッツカールトンはホテル産業でなくホスピタリティ産業であり、設備や施設が大事でなく、一番大事にしていることは『心からのおもてなし』だということです。
 そもそもホスピタリティとは一体何だろうかと考えたときに、「ホスピタリティ=おもてなしの心」であると考えました。 サービスはお客様から言われたことをそのまま実行することであり、ホスピタリティとはお客様から言われたこと以上のことをすることということです。

 これは、私が普段行っている仕事にも当てはまることであると思いました。
 例えば、講演の際に講師の方々に飲物を提供する場があったと想定します。
その際、ただ机の上に置いておくのはサービスであり、その水の口をあらかじめゆるくしておきコップも用意することがホスピタリティなのかなと考えました。
 ※飲物がペットボトルだと仮定した場合に、講演の際に水をいきなり飲もうとしたら口をあける作業が必要になりますし、またコップがなければ、講演の最中にペットボトルに口をつけて飲まなければなりません。
 そう考えるとホスピタリティとはとても大事なことであると感じました。
 また、リッツカールトンには様々な伝説があると本書で書かれていました。
「忘れ物をホテルにして、従業員が東京から大阪に届けに行った」
「一回しか宿泊していないのに、ロビーに入ったらボーイに名前を呼ばれた」
 これらをリッツカールトンでは、"ワオ・ストーリー"と呼んでいます。
 特に有名なのが浜辺でプロポーズをしようとしたらという"ワオ・ストーリー"です。
これは、アメリカ・フロリダ州にあるリッツカールトンで起きた出来事です。フロリダのリッツカールトンは、ビーチが近くにあり、ビーチを担当するスタッフもいます。
 そのスタッフがビーチチェアの片付けをしていると、ある男性がやってきてこういいました。
「今夜ここで彼女にプロポーズをするからそのビーチチェアは置いたままにしておいてくれないかな?」
 時間が来たらビーチチェアを片付けねばなりませんが、その従業員は
「かしこまりました」と一言いったのです。
 ここまでなら気のきく従業員であれば誰にでもできることです。ですがそのスタッフは違いました。いすの他にテーブルも残しておいたのです。
 さらに彼は、タキシードに着替え真っ白なテーブルクロスを引き、シャンパンと花をその上に乗せたのです。また、プロポーズする男性のひざがよごれないように、いすの前にタオルを折り畳んで置いておいたのです。そして、そのカップルが来るのを待っていたというのです。
 これは、従業員がお客様が望んでいることを自ら発見し行動した結果です。
 サービスマニュアルが整いすぎているとこういった臨機応変な態度がとれなくなってしまいます。
 サービスを超える瞬間、つまりそれがホスピタリティになるには、お客様が言葉にされないニーズに答えることが必要なのです。ではどうしたらホスピタリティ精神を養うことができるのか、と私なりに考えたときに、それは『頼まれたことを自分の手で少し加え提供すること』であると考えました。
 別にそれは何でもいいと思います。コピーでも、買い出しでも。相手が頼んだ目的をしっかりと把握した上で、それらに対して 自分にしかできない付加価値をつけることをしていきたいと思いました。

 

 

 参考文献 : リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

                   (2005年かんき出版刊行)

 著者 : 高野登