グッドブリッジ税理士法人

記憶に残す読書術 ~アウトプット~

15.06.29
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 今回のテーマは「アプトプット」です。人間の能は、情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保存することができるそうです。

 誰かにアウトプットすることは得意な人は少ないと思います。ですが、SNSやブログなど、手段はいくらでもあると思います。身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。

 是非、ご一読下さい。

 (写真は6/6秋山木工勉強会にて)

記憶に残す読書術

~ アウトプット ~

 

 最近は地元の沼津にデパートが無くなってしまったこともあり、家族サービスとお買いものを兼ねて静岡に行く機会が多くなりました。静岡にはジュンク堂書店というとても大きな書店があります。街の本屋さんの何十倍もの規模がある本屋さんで圧巻です。地元の吉野屋さんという近くの書店が無くなり、ネット上にAmazonが出現してからは、すっかり本屋さんに行く機会も少なくなり、ネットでの本の購入ほど便利なものはないと思い込んでいましたが、このジュンク堂書店には、いつもレジに並ばなければならないほど人がたくさんいます。だいたい月に7~8冊ほど年間100冊ほど購入(買いっぱなしのものもたくさんあります…)しますが、ネットの場合には自分の嗜好性をサイトが勝手に判断してお薦めの本を紹介してくれるものですから、つい同じような本を選びがちです。

一方で、このジュンク堂での本探しは楽しいのひとことにつきます。同じ経済の本を見にいっても、日本経済の隣には中国、韓国、欧米そして世界経済を題材にした書籍がずらりと並びます。ネットのように読者コメントはありませんが、実際に書籍を手にして、“あらすじ”“目次”そして全体をペラペラと見ると、その本に興味があるのかないのかの感覚が自分自身で確認できます。また子供の本探しは、もっと効果があります。まだ5歳の長男は、文字の認識もいまいちですので、それこそ実際に触れてみないとどの本がいいのか分かりません。私が勝手に選んで買ってきた本には見向きもしませんが、あれこれと迷った末に選んだ本には愛着が湧くようです。

 

読んだら忘れない読書

 

 「読書をしても、その本の内容を忘れてしまっては意味がありません」というキャッチにドキッとしながら、思わずその本を手にしました。過去に様々な本を読んできましたが、読書は多かれ少なかれ、読むたびに様々な気づきがあります。しかし、よく考えるとその内容を覚えているのかというと甚だ疑問が残るのではないでしょうか。精神科医である著者が「10年たっても忘れない記憶に残る読書術」の一つとして紹介しているのが「マーカー読書術」です。さまざまな脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術は「最初のインプットから、7~10日以内に3~4回アウトプットする」ことだそうです。

脳では入力された情報は海馬という場所で1週間ほど仮保存され、その仮保存の期間中に2~3度引き出された情報が“重要な情報”として長期保存される仕組みになっています。では具体的にどんなアウトプットの方法があるのか?そのひとつが“本を読みながらマーカーでラインをひく”ということです。これなら今からでもすぐ実行可能です。また、本の内容を人に話すとかメルマガなどで配信するといったことでもアウトプットは可能です。いずれにしてもせっかく仕入れた情報を忘れてしまっては、仕事にも人生にも役立てることができません。積極的なアウトプットにより知り得た情報を確実に記憶に定着させたいものです。

    

経営目標は「経営者の意思」そのもの。

     その意思を「従業員の意思」とする。  稲盛和夫

 

 会社の将来を描くのは経営者の大事な仕事です。しかし、会社の将来像などを従業員の皆さんと共有できていない企業がどれほど多いことでしょうか。経営者は、この会社の目的は何なのか?今年の目標は何なのか?その実現のための戦略はどうするのか?などの考え方をアウトプットすることにより従業員の力を一つにまとめることができます。社長が頭でただ考えているのでは、その考えを従業員は共有できません。その考えをA4用紙一枚の紙に書き出し、分かりやすく従業員に説明をすることで、社長の頭の中身を従業員の皆さんと共有することが可能となります。

アリババ社の馬雲氏は「事業を成功させるためには、話す技術を習得しなければならない。もしその技術が身についていなければ、望んだ効果は得られないだろう」と言っています。また、稲盛和夫氏はコンパの場を通して、胸襟をひらいた場所で本音で語り合うことによりスタッフの意思を一つにすることが必要だとかねがね言っています。経営者にとってはこのアウトプットする力がとても必要です。

 

 さて今回はアウトプットということの可能性について書いてみました。記憶の定着のためのアウトプット、そして経営者に求められる組織を動かすためのアウトプット。また最近ではSNSを使った個人的なアウトプット能力が必要な時代となってきました。このアウトプットをする能力は一朝一夕に身に付くものではありませんが、こうして書き記しながらアウトプット=伝えることの必要性について再認識をしました。次回以降ですが、改めてアウトプット力=伝える力についても一度考えてみたいと思いました。