グッドブリッジ税理士法人

ペルソナとは?

15.11.30
所長の一言
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所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 今回のテーマは「ペルソナ」です。聞きなれない言葉ではありますがこれは、マーケティングの一つなのですが。これからの時代にあった経営手法ではないかと思います。

 是非、ご一読下さい。

 (写真の著書は山地代表の会社を強くする多角化経営の実戦です)

知っています?『ペルソナ』

 

 経営の好きな私は、大阪や東京へしばしば経営のエッセンスを探しにでかけます。今年の秋は素晴らしいお二人の経営者のお話に恵まれる機会があったので紹介したいと思います。

一人はヤマチユナイテッドグループ代表の山地社長、そしてもう一人が美顔器具“ReFa”

という商品で有名なMTGという会社です。今回は、船井総研のグレートカンパニーアワードで最優秀賞に輝いた山地社長の経営をご紹介します。

 

 皆さんは「ペルソナ」をいう言葉をご存じでしょうか。私も初めて聞いた言葉なのですが、現代には欠かすことのできないマーケティングのツールなのだそうです。ペルソナとはあなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像のことを言います。どういうことかというと、住宅を販売するある会社があるとします。ひとつのA社は「お客様の願う理想のお家をお造りします。何でもリクエストを下さい」という会社です。B社は「週末にガレージで車いじりのしたいお父さんが望む“アメカジ”住宅を造りましょう」という会社です。皆さんどちらの会社を選びますか?もちろん好みによりけりですね。A社はどのような顧客にも対応し得ることが可能ですが、商品自体には個性はありません。B社はガレージで遊びたいというニーズともったお客様に、そのニーズにあった商品をお届けできますが、その嗜好をもったお客様は限定されています。A社はホームランを狙うことができますが、人口減少化時代に突入し、消費者の多様化や成熟化が進んでいる現代においてはその競争は激しさを増しています。一方、B社はホームランを狙うことはできませんが、ヒットを狙うことは可能です。

 

100の事業、100人の経営トップを生み出す

 

 こうしたニッチ市場であれば、中小企業でも十分にナンバーワンになることができ、市場が小さい分大手が参入しにくくもあります。小回りの利く中小企業だからこそ、ニッチ市場を築くことが可能です。こうしたニッチ市場の事業を数多くもち、差別化の効いた数多くのヒット事業を積み重ねることで、事業間のシナジー効果を生むという多角化経営の手法で事業を拡大させている企業が北海道の札幌にあります。ヤマチユナイテッドグループという会社です。「THE100VISION」という経営ビジョンを掲げ、100個の事業を成功させることを目標としています。現在では、デザイン住宅、建材の卸売、イベント事業、介護リフォーム、インテリアショップ、介護事業など50以上の事業を展開し、売上160億、利益10億円、社員550名のグループへ成長しています。

 

リスクを分散することができる

 

 山地社長がこの多角化経営に乗り出した最大の理由が「リスク分散」です。バブル崩壊後の金融不況の時に、住宅市場の急激な冷え込みの最中、経営を存続させるために多数の事業所を閉鎖などのリストラを行い、175名の従業員を75人までに減らした経験から、他にカバーできる事業を持っていれば、こんな思いをしなくてよかったのに…。そのときの悔しい思いが多角化経営の原点にあるそうです。コンサルタントや金融機関がよく口にする「一つのビジネスに集中しなさい」という言葉に惑わされてはいけないといいます。経営者であれば、どんなに好調な事業が一つあったとしても、「このままの調子がいつまでも続くわけがない」と常に不安を感じています。確かに、売上の柱が複数あればこうした不安やリスクを分散することが可能です。

 

失敗のリスクよりやらないリスクの方が大きい

 

 「どんな新規事業でも何らかの壁が立ちはだかります。その壁にぶち当たりもせずに、失敗を恐れていては、いつまでの幸せを手にすることはできません。ほとんどの新規事業はうまくいきません。我慢強く知恵を出し続けていると、計画の倍ぐらいの時間を過ぎてから結果がでてくる」と言います。山地社長は現在の50の事業を成功させる裏に、100の事業の失敗があったといいます。多角化をすれば当然、失敗の機会が多くなりますが、それは決して無駄になることはなく将来の成功や人材の成長につながるのです。但し、こうした失敗に負けないための、経営計画、業績管理、能力開発といった「経営のしくみ」がその屋台骨を支えていることを忘れてはなりません。

 

 「会社を強くする多角化経営の実戦」の著書の出版記念の講演会で山地社長とお会いしましたが、「ほめる達人協会」の札幌支部長をされているということもあって超~前向きでした。「すごい、さすが、すばらしい」を口癖に、毎朝スタッフとはハイタッチをしているそうです。実はこの姿勢こそ一番大事な成功の秘訣なのかもしれません。