全員参加経営
所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。
経営者であれば「社員が一丸となった全員参加型経営を実現したい」と望むのではないでしょうか。
少数精鋭で勝負している中小企業にとって、社員の一人ひとりの能力を最大限に引き出し、目標達成に向けて組織力を強化し、結束することは最重要課題ではないと思います。
是非、ご一読下さい。
(写真は弊所の男性メンバーです)
全員参加経営
今年もいよいよ終わりです。皆さん一年間ありがとうございました。さて一年を振り返り、今年の私のテーマは『正』でした。①自らを知り、心を整え、心を一つに止める、つまり自分自身を統御したい②みんなとの調和をとり、大きな目的のためにその心を一つに止めたい③自分と他の人の心を一つにするために「正」つまり正しいことは何なのかという本質を追求したいといったテーマをもって平成27年にのぞみましたが、その目的であるテーマを見つけるのに四苦八苦した一年だったように思います。
只管打座
春には秋山木工の秋山社長を招きご講演を頂きました。丁稚という制度を通して、若者の心を磨き、その結果として一流の職人に育てあげていくその凄まじいまでの思いと愚直ともいえる一途な姿勢に圧倒をされました。その後に当事務所で個別の勉強会を開いて頂いたのですが、秋山社長のその姿勢の根底にある、「心が一流になれば、技術も一流になる」という秋山社長の哲学を「天命」とし、人生のすべてをその哲学の浸透に捧げている秋山社長の熱い思いに触れることができました。その個別勉強会に際し事務所のスタッフ向けの面談をしていただいたのですが、その場で秋山社長がスタッフに対し「職人心得30か条の暗唱を1時間ほどでできるか?」と言うのです。結構長い文章ですので、それはちょっと無理ではないかと思いつつ見ていたところ、しばらくするとスタッフが必死でその心得を暗記してきて、秋山社長の前で見事に暗唱するのです。そこで秋山社長はこう言いました。「そのぐらいの集中力で何事にも取り組めばできないことはないと思いませんか」と。衝撃でした。秋山社長は人の持つ無限の可能性を心得の暗唱という出来事を通したった一時間で見事に引き出し、スタッフに夢と希望を与えてくれたのです。只管打座という言葉があります。ひたすらに座禅を組むということで、あれこれと雑念に惑わされることなく只一向に念仏を唱えて打ち座っているうちに道は自然にひらけるという法然の教えです。何事もこの精神で、あれこれ思い煩うことなく只一向に励めば道は開け、理も明らかになり必ず上達するという教訓です。まさしく、只管打座の精神で何事にも取り組む姿勢を学ばせて頂きました。
全員参加経営の実現
中小企業の経営に日々触れ、その難しさを実感するばかりですが、経営者は事業の継続をあきらめることはできません。なぜならそこにはスタッフがいて、そのスタッフに支えられた家族が存在しているからです。経営者である以上、「はい止めた」という選択肢はありません。前述したように人の可能性は無限です。こうしたスタッフの持つ無限の可能性を最大限に引き出し、スタッフ全員が経営に高い参加意識を持ってのぞめば、まだまだ中小企業にも活路はあります。私の私淑する稲盛和夫氏が「アメーバ経営」という全員参加型の経営でJALの復活をとげたのは記憶に新しいところです。私は稲盛氏の主催する経営塾で3年間このアメーバ経営について学び、その塾では稲盛実学の会計講座の講師を担当させていただいておりました。来年は是非そこで学んだ「全員参加経営」の経営手法を皆さんと共有し、その実現を通して中小企業の元気の取戻しに取り組んでいきたいと考えています。是非ご協力ください。
来る2016年が皆様にとりまして笑顔に包まれた年となることを祈念しています。