グッドブリッジ税理士法人

通勤手当限度額の引上げ

16.03.31
所長の一言
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所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 今回のテーマは「通勤手当限度額の引き上げ」です。新年度の税制改正も通過した中で、私たちが身近に感じる事柄ではないでしょうか。

 是非、ご一読下さい。

 (写真は3/21に開かれた(有)熊谷工業所・熊谷重光様の黄綬褒章授賞式での一枚です)

通勤手当限度額の引上げ

 

 いよいよ春到来ですね。今年の桜は例年よりも数日早い開花とのことですが、この桜満開の見頃を狙って見に行こうと思っていると、なぜかピークを過ぎて葉桜になってしまいます。今年はそんなことのないように既に「桜の日」を設定済みなのですが、きれいな桜が見れることを祈るばかりです。

 

 さて私ども会計事務所にとっては、この時期忙しいと机に向かっている最中に次年度の政府予算案が可決承認され、新しい税制が導入されます。今年も平成28年の税制改正が決まりました。我々個人や企業に利益の約半分の負担を強いるこの税制ですが、これは政府の目標を達成するためのひとつのツールとしても利用されますので、逆を返せばその日本政府がどのような方向性に向かおうとしているのかを現していることにもなります。

 

では、平成28年度の税制改正の方向性とは…

  • デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置

・法人税率の引き下げ

  • 少子化対策・女性活躍推進・教育再生等に向けた取組

・3世代同居リフォームに係る税額控除の導入

・スイッチOTC薬(一般市販薬のようなもの)の医療費控除の創設

  • 地方創生の推進・特区に係る支援措置

・企業版のふるさと納税の創出

・空家に係る譲渡所得の特別控除の創出

・通勤手当の引き上げ

 

 この中で個人的に特に興味深いのは『通勤手当の引き上げ』である。今まで最高10万円までだった通勤手当の非課税枠が15万円に引き上げられる。東海道新幹線の東京を起点とすると、今までは東京⇔三島が非課税であったものが、これからは東京⇔静岡までの区間が非課税となる。考えてみれば交通機関の発達により距離の制約が以前にもまして少なくなりつつある。東京で働くためには東京に住まなければならないというような考えは一昔前であり、東京に住んで仕事をするよりも、三島や静岡に住んで東京で仕事をするほうが文化的にも経済的にも豊かな暮らしが可能であるのかもしれない。しかしこれは逆を返せば、地方に拠点を置く企業であっても東京というエリアは十分に商圏をターゲットとできるということでもある。世の中は無常であり、ITにしても、交通機関にしても、その進化は日進月歩である。時代に取り残されないと考えるよりも、そうした進化発展を好機と捉え、その力を思いっきり利用して新たな機会の創出に役立てることこそが、企業の永続的な発展に寄与するだと思う。

 

 

付加価値を向上させるとは

より少ない資源で高い価値を作り上げること

~稲盛和夫氏~

 

 稲盛和夫氏の「実学(経営と会計)」という著書の中で、採算向上について述べられている部分があるが、その中で稲盛氏は『付加価値を向上させるということは、市場において価値の高いものを、より少ない資源作り出すことである』と定義している。“より少ない資源”と書かれている部分が面白いと思う。資源とは、お金や時間だけでなく、精神的な負担、一緒に住む家族の負担などさまざまなものが考えられる。進化発展する文明の力を利用して、より少ない資源で、より大きな価値を生み出すチャンスが企業にも個人にも与えられる時代になったのだと思う。

 

 個人的なお話ですが、私の子供もいよいよこの春から小学生になります。僅か6歳の子供もiPodをスイスイ使いこなしています。そのiPodで、子供と好きな音楽を共有して楽しむこともできたりします。本当にビックリする時代ですが、変化を好機と捉え、新しいあり方を楽しみながら見つけ出したいと思う今日この頃です。