グッドブリッジ税理士法人

2018年問題を知っていますか?

14.10.28
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 

 今月のテーマは「2018年問題」です。この先少子高齢化が進んでいく中で、企業の人材確保が重要な課題となっていくことは間違いありません。「人財」という言葉もあるように、企業にとってヒトの存在は欠かせません。ヒトによって会社が変わると言っても過言ではないでしょう。皆様もぜひ企業の人財について一緒に考えてみて下さい。

(写真は大橋とマツコデラックス(?)です。)

2018年問題を知っていますか?

 

 アベノミクスの景気浮揚に危険信号かと思わせる株価の乱高下ですが、地方創生などの新しい取り組みも目標として掲げられ、その効果に期待をもちたいところです。しかし、昨今の地元の疲弊感には将来への不安を感じてしまいます。

 

 今後の少子高齢化は誰もが危惧している問題ではありますが、2018年から18歳未満の人口が減り始め、止めどもない少子化への転落が始まります。この影響は、大学の廃校や高卒人口の減少、そして大卒人口の減少、労働者人口の不足へと繋がっていきます。企業にとっては労働者の獲得合戦がこれまで以上に熾烈になり、企業が社員を選ぶ時代から労働者が会社を選ぶ時代へシフトしていくものと予想されます。企業にとって人材ほど大事なものはないと言っても過言ではありません。労働人口不足時代においていかに人材を確保できる企業であるべきかが、事業の永続的な発展に重大な影響を及ぼすことになりそうです。

 

会社の生む『付加価値』を高める!

  さて、改めて事業における収益について考えると、生み出された付加価値が貨幣的な尺度で測られたものであると定義されます。多くの付加価値が提供できれば、それだけ多くの収益がもたらされます。企業はヒト・モノ・カネの経営資源を用いてできるだけ多くの付加価値を生み出すべく改善や改革を続けますが、この資源のなかで、最も伸びしろが大きいのが「ヒト」であり、「ヒト」のパフォーマンスによってもたらされる付加価値は何倍も変わります。

 

 企業の利益は、『一人あたりの付加価値×スタッフ数』と表現できます。ここでは付加価値=粗利と考えて頂いても問題ありません。そこで、一人あたりの付加価値をできるだけ多くし、またその人数を増やすことによって企業は生み出す付加価値を大きくすることができます。この一人あたりの付加価値は大企業だと少なくとも1500万程度はあり、すごい会社では1億を超えるところもあったりします。一方、中小企業では、この一人あたりの付加価値の平均は700万~800万程度あれば良い方です。当然一人あたりの付加価値の少ない会社では、一人あたりの給料は少なくなってしまいます。優良な企業になるためには一人当たり付加価値で1000万円以上を目指したいところです。

 

 さてもう少し角度を変えてみると、企業の好業績は、この付加価値を多く生み出した結果であり、付加価値を高めるためには、一人あたりの付加価値を高める以外に、その付加価値を生み出すスタッフを多くすることによっても可能です。しかし、実際には人材の確保を積極的に行っている中小企業は決して多くはありません。その理由は、現在の事業の先行きが不透明だからでしょう。残念ながら、企業が業績を上げることは、『一人あたりの付加価値×スタッフ数』による付加価値額ができるだけ多くなることと一致するため、「付加価値の高い成果のあげられるスタッフ数を多くしていく」という目標をもつことが、経営者にとって大事だと思います。

 

顧客のニーズに合わせ、わが社を作り変える

 そんなことを言っても、この時代においてスタッフを増やすなんて無謀な…と思われる経営者の方も多いと思いますが、「事業経営とは、変転する市場と顧客の要求を見極め、これに合わせてわが社を作り変えること」と考えてみて下さい。市場の変化はめまぐるしく、お客様のニーズはどんどん変わっていきます。過去において優れた収益力のあった商品は、時の経過とともにその収益力を失っていってしまいます。そんな中で、時代の要求にあった物やサービスを提供し続けていくことこそが、経営にとって大事なことであり、その価値を創造していくためにも「ヒト」が重要な要素となるのではないでしょうか。

 

 今後、人材確保の難しい時代が到来してきます。「ヒト」こそが会社の将来の競争力の源泉と位置づけ、今から労働者に選ばれる企業となるべく魅力ある企業への変革を遂げていくことが経営に求められます。今後、どういう会社になっていけば「ヒト」を集めていくことができるのか? 経営者の創造力と実行力が問われることとなりそうです。