グッドブリッジ税理士法人

仕組みで勝つ

14.11.27
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 

 今月のテーマは「仕組みで勝つ」です。今回は「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」を展開し、爆発的な発展を遂げている坂本社長のビジネスモデルを紹介しています。さまざまなビジネスモデルが生まれている現在において、従来のスタイルを頑なに変えないままではその成長に限界もあると思います。日々新しい考え方に触れ、取り入れられるものはどんどんと取り入れながら、自社のスタイルを時代時代に合わせて転換していく必要があるのかもしれません。

 是非ご一読下さい。

 衆議院の解散も決まり、12月になれば総選挙というアベノミクス今年最後の踊り場ですが、消費税増税延期に対する国民の是非を問う選挙という大義名分のもと、安部さんが国民に責任を押し付けているようにしか思えません。後で悪くなった時に、“あの時私は皆さんに判断の是非を問いましたよね”という言い逃れをする姿が見えるような気がします。私たち国民には国家の首相ほどの情報は無く、残念ながら適切な判断をするには材料が乏しすぎます。リーダーは、自らの責任においてベストな判断をする強い意志力が必要だと思います。今回の判断が言い逃れ回避のためでなく、日本の将来への大事な布石であることを期待しています。

 

 東京銀座で「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」を展開し、『俺の』シリーズで爆発的な発展を遂げている坂本社長ですが、この「俺の」シリーズ以前には、ブックオフを創業し、中古の本市場を開拓したパイオニアとしても有名です。時代のニーズに合った二つの事業を成功させた坂本社長の考え方とはいったいどのようなものなのでしょうか。坂本社長の人生は「2勝10敗」で、7度転んでも8度起き上がると言います。失敗を恐れない勇気が事業を成功へ導いたとも言えますが、その考え方に触れてみたいと思います。

 

仕組みで勝つ

 

 「俺の」シリーズのレストランの特徴は、「低価格・高原価率・超高回転率」です。ミシュランの星付きレストランでのディナーは普通でも3万円は下りません。そんな食事を我々庶民の手の届くリーズナブルな値段で提供しているのです。例えば「牛フィレとフォアグラのロッシーニ」が1,280円。飲食業界では原価率を30%に抑えるのが常識とされる中、原価率80%のメニューを考え提供するという発想の転換です。といっても「低価格・高原価」だけでは商売は成り立ちません。そこで「立ち飲み」⇒「高回転率」という発想を加え、通常の3倍の来店客数を確保することで高収益なビジネスモデルを確立しています。

 

バリュー(価値)÷プライス(価格)=1以上

 

 実はこのビジネスモデルの根底になっている考え方は、価値を高めて値段を下げる、そうすれば必ずお客様は行列をつくるというものです。いくら値段が安くても、価値がそれ以下であればお客様は絶対に店には来ないのです。お客様はコストパフォーマンスに対しては思った以上に敏感で、お客様がリピートしてくれないのは、商品が悪いか、それに比べて価格が高いかのどちらかです。このコストパフォーマンスが弱ければ、いくら笑顔をつくってお客様に来てもらってもあまり意味がないと言います。コストパフォーマンスの高い商品を提供できれば、自然とお客様も笑顔になる。確かにこれは真理だと思います。原価を「じゃぶじゃぶ」かけ、喜んだお客様がまたお店に足を運んでくれる、こうした本質的な「お客様の満足」にフォーカスを絞ったビジネスモデルが今の人気の秘訣なのでしょう。

 

ビジネスモデルの研究

 

 「いい商品をお客様へ提供する」そうすれば利益が出るだろうと思っている経営者は少なくありませんし、もちろんこれは本質です。が、しかし、セブンイレブンのようなコンビニエンスストアでは多少値段が高くても商品は飛ぶように売れていきます。なぜでしょうか?コンビニエンスストアにおいては、人は価格ではなく、そこに『利便性』を求めているからです。多様化するビジネス形態の中で、最近の代表的なビジネスモデルを二つ紹介します。

 

●アンバンドリング

 一体として販売していたモノやサービスを分解し、顧客の欲する部分のみ販売することで顧客の受容性と業務効率を高めるビジネスモデルです。具体的には「焼魚、ご飯、味噌汁、おしんこ、コーヒー」ワンセット650円で販売していたものを、焼魚300円、ご飯100円、味噌汁80円…などに分解し販売するモデルです。格安航空会社LCCのビジネスモデルもこの形態です。食事の提供、手荷物の運送、座席の変更など、本来の航空輸送以外のほとんどのサービスを付加サービスとしてオプション化し、個別に価格を付けて販売しています。

 

●チャネル関係性の利用

 チャネルとは最終顧客と特別な関係性を持つ人や会社を言います。現在だとブログで人気のある洋服のカリスマブロガーさんなどが分かりやすいかもしれません。人気ブロガーさんであれば現在一日のアクセスが10万件という方も存在する時代です。こうした人の持つチャネル関係性を利用して自社の商品などを販売するモデルです。

 

 まだまだ紹介したいビジネスモデルはたくさんありますが、時代の流れは急速で、我々経営者の知らないところでこうした新しいビジネスモデルが生まれています。自社を取り巻く環境の変化を常に俯瞰的な視点から観察し、永続的な事業成長を遂げていきたいものです。

 

 来月の12月3日に当事務所で「経営者の学び場」という勉強会&忘年交流会を開催します。今回のテーマはフェイスブックです。今さらと思われるかもしれませんが、成熟したSNSによって我々を取り囲む環境は恐ろしく変化しています。是非一緒に学び、経営に役立てていきましょう。