グッドブリッジ税理士法人

2015年、今年は「正」。

15.01.29
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

2015年、皆様はどのような1年にしたいと思っていらっしゃいますでしょうか。

今月の所長コメントでは、「干支の字義」から今年をどう歩むか考える話題、そして自身の今年の一文字が登場します。

当事務所では、毎年年頭において各自心に一つ言葉を決め半紙に向かい皆様に発表させていただくのを恒例としております。

 あわただしい毎日の中ではございますが、年に一度自分と会話をしながら言葉を決め、文字に表す作業はとても有意義な時間です。

 

 是非、ご一読下さい。

新年あけましておめでとうございます。

 

 さて今年は干支でいう「乙未(きのとひつじ)」です。干支とは古代中国人が自然の摂理や天のハタラキから学んだ古からの知恵の集積であり、啓蒙的に意味を持つものとして長い歳月を費やし古代から現代まで伝承されてきました。

 

 私はSBIホールディングスの北尾社長の考え方が好きでよく著書を読むのですが、氏は昨年の暮れに「強運をつくる干支の知恵」という書籍を出版されています。北尾社長は例年新年に「年頭所感」として干支による年相を述べています。

それによると、「乙」は字義として曲がるという意があります。前年に出た草木の芽が外界の抵抗がまだ強くまだ真っ直ぐに伸びないで曲がりくねった状態の象形であり、新しい改革創造の歩みは進めるが、まだ外の寒さや障害にあって屈曲するという意味です。そこで、いかなる抵抗や紆余曲折があろうとも、その改革を気概をもって進めていかなければならないと言われています。また「未」には「いまだ」との解釈があり、行為や状態等の結果が分からないことを意味します。動物では「羊(ひつじ)」が当てられますが、羊は古代中国では食料や神への生贄(いけにえ)にささげた貴重な動物であり吉祥動物のひとつで、天下泰平をもたらすという意味があるそうです。その字義から、前年からの持ち越しの案件や因習、悪い習慣を打破して、問題解決に向け一層努力しなければならない、それを怠ると従来の改革すべき勢力が力を増し暗くなっていくと解釈できるそうです。さて皆さんこの干支の字義から今年をどう歩むのか考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

顧客、競争相手を定義できない時代

 先日、会計事務所向けのコンサル会社の主催する大前研一氏の講演会に行ってきました。GoogleやFecebook、アマゾンなどのITテクノロジーの進化により、これまで存在してきた産業の垣根が消えつつあります。企業における戦略とは、顧客のニーズを満たすために、競争相手との差別化を最大化することでしたが、テクノロジーの進化により産業の垣根がなくなったため、誰が顧客か、誰が競合相手か定義できない、自社の存在意義が定義できないという時代となりました。

 確かに、中古車などの販売で見れば、今まで顧客だった人が、無料のヤフーオークションで自分の車をオークションにかけ売買しています。今までのお客さんが、‘ヤフオク’というテクノロジーにより競合相手となってしまったりするのです。こうした時代のなかでは、過去の延長線上で自分を見ることがもっともリスクであり、常に世の中を広く見て自分を俯瞰的に見ることが大切です。松下幸之助氏の言われる「囚われない素直な心」が無いと時代に遅れてしまいます。

 

 

個人は「学ぶ」から「経験する」へ

  こうした時代の中、企業はどう戦っていくべきなのか。いくつか示唆されていましたが、今や情報はいとも簡単に手に入る時代となりました。しかし、その情報自体には全く価値がなく、本当に何が重要なのかという情報の選択能力が必要です。ではどうやってその選択能力を身につけるのか、それは情報を活用して得られる経験値が大切だといいます。そのために「いろいろなサイトを使うこと」などが提唱されていましたが、つまり「新しいものにどんどん挑戦して体験してみなさい」ということです。その中で培う経験値にこそ価値があります。21世紀は答えのない時代です。深く考え、実際に行動するなかで“本質を追求”していくことが大切なのだと感じました。

 

 私の今年のテーマは「正」です。「正」の字義は「一」+「止」で、個人的には「心を一つに止める」と解釈しています。つまり自分の心を整え、人の心を一つに束ねるために、正しいことを追求するということです。ちなみに私の子供はこの意から「正裕」という名前です。昨年から始めた「経営者の学び場」も紆余曲折はあると思いますが、皆さんの協力を得つつ、新しいものに挑みながら気概を持って前進してまいりたいと思います。本年も皆様と共に良い一年としていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。