グッドブリッジ税理士法人

ゼロから1へ

15.03.30
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 今回は「ゼロから1へ」です。「1」あるものをまねて再度「1」をつくることは賢明なやり方でもあり多くの人々が行っている方法でもあります。でも1番大切なのは「ゼロ」から「1」をうみだすことにあります。これがなければ、同じ「1」しかうまれません。

 挑戦は発想の転換に後押しされるのかもしれません。是非ご一読ください。

 (写真は弊所のお客様 NPO法人マムさんの川端理事長と)

                ゼロから1へ

  いよいよ新年度の始まりです。私どもの仕事は3月中旬までは個人の確定申告業務に没頭し、顔をあげてみたらすぐそこには春が差し迫っています。もしかすると、厳しい冬の寒さを感じずに一足飛びにこの春のシーズンが迎えられラッキーなのかもしれません。

  さて、そんな春めいた気分は景色だけで、我々を取り巻く経営環境にまだまだ春の訪れは遠いような気がします。経営者にとって今の時代をどう受け止め、そして先の時代がどうなるのかを考え行動することがますます重要な時代となっています。世の中には先賢の方々の智慧がいっぱいあります。この智慧を学び、深く自身の見識に変えることで新たな時代に対応することが可能なのではないでしょうか? 

 4月14日には「経営者のための学びの場」と称し、秋山木工の秋山社長を招いて『一流を育てる』というテーマでの講演を企画しています。経営者にとって今一番大切なことは学ぶことだと思いますが、その中でも実践し深い経験を積んだ方の「本物」のお話を聞き、その人柄に触れることは「百聞は一見にしかず」とはいいますが、これほど経営の役に立つことはないでしょうか。是非この機会に人を育てることへの熱い情熱を持たれている秋山社長に実際に触れ、自身の姿勢との違いがなんなのかを感じてみて下さい。もしかすると「やっぱり間違いない」と勇気をもらえるかもしれません。皆さんの参加をお待ちしています。

 

ゼロから1を生み出す

  YouTube、テスラモーターズ、リンクトインなどの最先端ビジネスを生み出している起業家集団通称“ペイパルマフィア”の中心人物であるピーター・ティール氏を皆さんはご存じでしょうか。このティール氏の著書に「ZERO to ONE」という本がありますが、この本の副題は「君はゼロから何が生み出せるか」というもので、読めば読むほど我々の発想が“既存に囚われている”ことに気づかされます。

 

~ 新しい何かを作るより、

在るものをコピーする方が簡単だ。

おなじみのやり方を繰り返せば、

見慣れたものが増える、つまり1がnになる。

だけど、僕たちが新しい何かを生み出すたびに、

ゼロは1になる。 ~

 

 経営というと、どこかで何かが成功していてそのビジネスモデルをコピーしているケースが少なくありません。このコピー&ペーストの経営が、中国そしてインドといったまだまだ豊かでない国々すべてにいきわたった時に、この地球上のすべての人が豊かになれるのか、答えはNOです。現在のテクノロジー(コンピュータに限らず、ものごとへの新しい取り組みやより良い手法をすべてテクノロジーと定義しています)では、食糧やエネルギーといった有限な資源でそのすべてをまかなうことができません。逆にこれまでの富を創造してきた古い手法を世界に広めれば、生まれるのは富ではなく破滅だといいます。「1のn乗」の発想(つまりコピー)では超過利益はいつか消滅してしまいます。新しい何かを生み出すことへの挑戦が、生き残りをかけた厳しい戦いから脱却を可能にする唯一の方法だといいます。

 

競争は破壊を招く

  ものを生み出すクリエイティブな独占環境では、社会の役に立つ製品やサービスが開発され、創造主であるクリエイターには持続的な利益がもたらされます。一方、競争環境では、誰も得をせず、たいした差別化も生まれず、生き残りに苦しむことになります。私たちは幼少の頃より競争というイデオロギーの中で育ってきました。与えられた環境の下で少しでも上に行こうと努力を重ねてきました。しかしその競争を勝ち抜いた先に本当の幸せがあるのかは定かではありません。「競争は価値の証しではなく破壊的な力だとわかるだけでも、君はほとんどの人よりまともになれる」とティール氏はいいます。

   私たちはいつからか、成功モデルを見つけそれをコピーすることに集中をし過ぎているのではないでしょうか?「誰も築いていない、価値ある企業とはどんな企業だろう?」という逆説的な質問への答えを探すことに、次のビジネスチャンスがあるといいます。先日、事務所に訪問いただいた理容業を営むお客様が「最近は、お客様が少なくなったけど、そのおかげでお年寄りを自宅まで迎えに行って、一緒に散歩しながらお店まで連れてくる時間ができたんだよ」とおっしゃっていました、「介護付き理容業!?」… 身近なことへの深い洞察から新しい何かが生まれるのかもしれません。

 

 先日、設立当初からのお客様のNPO法人マムさんが新しい事業所を開設されました。家の片隅から始まった事業が、こんなに立派になられ感無量、大感激です!夢に向かって一直線の川端理事長との写真を掲載させて頂きました。