ダメ人間なんていない、ただダメな指導者がいるだけ
所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。
さて、今月にお届けするメッセージは人材育成に関わるお話です。新年度を迎え、新入社員を迎えられる企業も多いでしょう。また、新入社員の育成だけにとどまらず人材育成は企業にとって普遍的な経営課題です。
本文では、育成にあたってのテクニックのご紹介もしています。是非、社員教育のヒントにされてみてはいかがでしょうか。
是非、ご一読ください。
(写真は弊所スタッフ岩崎とその息子のあっくんと)
ダメな指導者
年が明けたと思ったら、もう年度末。時の過ぎ去る早さに、ぼやぼやなんかしていられないと心するこの頃です。
4月からは当所に新卒のスタッフが一名入所します。親御さんが大切に育てられてきたお子さんをお預かりすることに非常に大きな責任を感じます。
しかし一方で私どものビジョンである『高収益企業の共創』という使命を共に担ってくれるスタッフが増えたことに感謝をしています。先輩スタッフ、そしてお客様を始めいろいろな方の力を借りながら、仕事を通して社会に役立つ人材にまで育ってもらいたいと思います。
静岡のセノバにジュンク堂書店という大きな書店があり、静岡に行く機会があるたびによく寄っては読みたい本を漁って帰ってきます。今回私の目にとまったのは『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』です。フィクションのお話かと思いきやノンフィクションの物語で、絶対無理に挑んでみた一人の女の子の話です。この本の筆者の坪田氏は学校法人を運営し、自ら生徒を指導する教育者で、心理学を駆使した学習指導法により成果を上げられています。
ダメな人間なんていない。ただダメな指導者がいるだけ。
中小企業の経営者の皆さんにとって人材の育成は大きな課題です。私たち事務所でもいつも人材をどう育てるのかについては試行錯誤を繰り返し、その答えを見出すのに四苦八苦しています。しかし、育成の視点を育てられる側でなく、育てる側(指導者)次第だという意見には、確かにそうかもしれないという思いがしました。というのも、私も含め経営者の皆さんはだいたい日々仕事に追われ、そのなかで「指導者」としての知識を得る機会に出くわすことはめったにありません。しかし人材の育成が事業の発展に欠かすことのできない大きなテーマである以上、「指導者」としての在り方を学ぶのも大切なのではないでしょうか。
さて今回は本書で取り上げられていた人材育成のテクニックからいくつか紹介してみたいと思います。
1)即時フィードバック
相手が反応した内容が正しかったかどうかを即座に知らせることで、相手の行動が変化しやすくなります。
2)高いキーでテンション高く話す
「ソ」の音がベストと言われています。ジャパネットたかた社長にせよ、キーの高いほうが琴線に触れやすいようです。
3)必ずアウトプットまでさせる
情報をインプットして、再整理して、アウトプットすることで学んだ情報を身に着けることができます。
4)ピグマリオン効果
教師や親が「本気で」期待した場合に、子供は無意識のうちにそれにこたえる効果があるそうです。
5)やる気の話
やる気の出し方は「やる気になる→やる→できるようになる」ではなく、「やってみる→できる→やる気になる」が正しい順序だそうです。
人材育成のテクニックについて取り上げましたが、経営者又は指導者の立場の人は、部下である社員などから信頼され尊敬され「この人にならついていきたい」と心から慕われる人間性を備えていることが何より大切だと思います。新年度、自らの成長に軸足を置きながら、部下の成長を見守りたいと思います。