グッドブリッジ税理士法人

会社の存在理由って?

14.04.24
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 さて今月にお届けするのは「会社の存在理由って?」です。

 企業活動をしている以上、存在意義・目的は明確なはずです。心がそちらを向かずに1日の仕事を終えてしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 本文の中にでてくる3ステップを、ご自分の1日におとしこんでみてはいかがでしょうか。

 是非、ご一読下さい。

(写真は弊所の新入社員、木村と)

              会社の存在理由って?

 

 新年度が始まりました。皆さん「今年こそ」と新年度への意気込みも新たに過ごされていることと思います。消費税率アップに始まった今年度、その影響がどのようになるのかは定かではありませんが、消費者の購買意欲の統計では、60%の方が購買に関して「今までと変わらない」と答えていますので、その影響が軽微で済むことを期待するばかりです。

 

 新事業年度を迎え、経営者であれば会社の短期的、中期的な目標をどうしようかなど一番考えるシーズンではないでしょうか。10年後の取り巻く環境はどうなっていくのだろうか?将来における当社の主力商品の市場性はどうなのか?現状のままでいいのか?今何をすべきなのか? 企業経営は1万人の経営者がいれば、1万通りになります。時代が変遷する中で、その時々のお客様のニーズにあった確かな価値の提供をし続けることのできる強い会社造りには、まず経営者の高いアンテナで質の高い情報を得ることが必要だと思います。

 

 今回は皆さんご存知の『Yahoo』の経営改革についてかかれた「爆速経営 新生ヤフーの500日 」から、硬直化した面白くない組織から劇的な変革を遂げたYahooの組織改革の3ステップをご紹介したいと思います。

 

 

 

Yahooの組織改革の3ステップ

 

 1番目のステップは「理念の再定義」です。“自分たちの会社は何のためにこの世の中に存在しているのか”ということです。私の知る限り中小企業の中で「理念」を掲げて経営をしているところは非常に少ないのが現実です。目の前の仕事に追われそんなこと考えたことないという方がほとんどではないかと思います。よく「お金のため」という方もいらっしゃいますが、お金自体は目的にはなりません。お金は会社がその目的を果たした結果としての対価として与えられるものにすぎません。「医療業界の発展に貢献するため」「働くスタッフを幸せにするため」など公明正大で大義名分のある、高い目的を立てることが大切です。Yahooではもう少し具体的に「課題解決エンジン」「ユーザーファースト」を新生ヤフーの理念とし、改革の軸に据え、迷ったときの判断基準をしています。

 

 2番目のステップは「明確な目標」の設定です。会社が何を目指すのかというゴールを決める作業です。いつまでにどうするのかなど具体的な目標のほうが、やるべきことが明確になります。Yahooでは「201×年までに営業利益を2倍にする」という目標を掲げました。「リーダーが判断に迷うのは、目標が明確でないからだ」とソフトバンクの孫社長の アドバイスにもあるように、この具体的な目標設定がないからこそ経営が“成り行き”になってしまいます。特に期日を設定することで、現状の努力が足りているのかどうかというチェックができるようになります。大きな目標を掲げるには、社長にも大きな志と勇気が問われます。明確な目標を掲げ「有言実行」でゴールに向かっていきましょう。

 

 最後の3ステップ目は目標を達成するための「具体的な戦略を定め、それを戦術に落とし込む」作業です。Yahooでは戦略を次の3つに絞り込み、戦術についてはその時々の状況において柔軟に対応することにしました。

   ①事業の選択と集中を加速させること

  ②他者との事業連携を積極的にすすめること

  ③新規事業を立ち上げること

 

 2ステップ目の目標を達成するかというより具体的な方向性です。利益を2倍にするにはどうしたらいいのかという論議のなかで導き出されたものです。こうした戦略を明確にし、組織内で共有することで組織のベクトルをそろえることができます。そしてもし迷えばこの戦略や前述の理念・目標に立ち戻ることで常にベクトルをあわせ続けることができます。

 

 この3ステップを読んでいただけば分かるとおり、Yahooの経営改革といえども決してとっぴで目を引くものでもないのです。むしろ非常にオーソドックスなものであるといえます。このプロセスは中小企業でも十分に参考になるステップだと思います。まさしくこれこそ『社長業』といったプロセスです。スタッフの皆さんは社長のベクトルがどこに向かっているのか知りたがっています。新年度に際し、是非このステップに基づいて事業計画作を作成し、社内で共有することをお薦めします。

 

 私ども事務所も「お客様と共に高収益の企業を創る」を目標に、より質の高い情報を皆様に提供しつつ、理念の実現に向けて、日々研鑽をしていきたいと思います。今年度も宜しくお願いいたします。