グッドブリッジ税理士法人

最重要事項を優先する(2)

14.06.25
所長の一言
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 所長の大橋よりその時々の話題をお届けするコーナーです。

 今月のテーマは、先月に引き続き『最重要事項を優先する』です。先月は未来ノートを使った方法をご紹介させて頂きましたが、今回は『人に任せる』がテーマとなっております。人に任せる、そんなことは簡単だと思うかもしれませんが、実はなかなか任せられていないというのも現状です。自分にしかできない、ではなく人に任せるという思い切った発想も自分の時間を作るためには必要かもしれません。ぜひご一読下さい。

 

 ~写真は息子のまーくんと地引網にて~

               ~最重要事項を優先する②~

 

               人に任せる

  時代の変遷とともに経営の舵取りも大きく変わりつつあります。右肩上がりの時代はとっくに終わり、これからは人口減少という「社会の縮小」を前提として経営に取り組まなければなりません。右肩上がりの時代には営業も必要なく仕事がきましたし、従業員の労働時間の管理にここまで気をつかうことなく経営ができました。仕事はやりさえすればなんとか利益が出ました。しかし、これからの時代は営業や労務管理などのコンプライアンス遵守など、今まで取り組まなくてもどうにかなってきた事項に能動的に取り組まなければなりません。今までと同じ仕事ばかりしていられない時代となりました。

 

 こうした「重要事項を優先させなければならない」という認識はどの経営者の方々にもあるにもかかわらず、その実行がなかなかできません。問題はどうやってこの「重要事項」を優先させるかです。私たちがそうした目標を達成するための方法として二つの方法があります。ひとつは先に触れた「未来ノート」などによって、自己管理能力の向上を図ることです。そして、もう一つが「人に任せる」という発想です。

                                                                                     

 「7つの習慣」では“重要事項を優先させる”ための方法として『人に任せる』(デレゲーション)という発想について触れています。誰でもそうですが、自分だけなら1時間の時間の投入に対して、1時間の出力しか生み出すことはできません。しかし、人に任せることにより仕事の視点が変わると、より少ない投入で大きな成果を生み出すことが可能です。同じ1時間の投入で10あるいは50の成果を生み出すことも可能なのです。

 

 さて「人に任せる」といっても様々です。「これを取ってこい、あれを取ってこい。これをやれ、あれをやれ。終わったらすぐに知らせろ。走れ。止まれ。」こうした“手段を一対一で管理”するような形では効果的な成果を上げることはできません。

 

 効果的に「人に任せる」ためには、相手の自覚、想像力、良心、自由意志を尊重する形でデレゲーションする必要があります。つまり“手段”ではなく“結果”に焦点を合わせ『手段を選択する自由を相手に与え、結果に責任を持たせる』ことが大切です。具体的には次の5つの事柄を明確に打ち出し、相互理解と決意を得るようにしなければなりません。

 

  • 望む結果(できるだけ具体的に)
  • 守らなければならないルール(コンプライアンス、人間関係など)
  • 使える資源(時間、お金、人など)
  • 結果を評価するための基準
  • 評価の結果による賞罰(報酬、昇格など)

 

 自分でやったほうが早いから、自分がやったほうが正確だから、人に任せると心配だから‥といった理由で「人に任せる」ことへの挑戦をあきらめていませんか。人に任せるという発想で、自分の時間にレバレッジを効かせ「重要事項」に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 「重要事項に取り組む」をテーマに2回に渡り長々と書いてしまいましたが、ぜひ皆様の実践の機会になって頂けたらと思います。そして、前回ご紹介させて頂きました未来ノートですが、プレゼント用に3冊準備しておりますので、どなたか一緒にトライしてみませんか?ご希望の方はスタッフの岩崎までご連絡下さい。

 

          

(紹介文献)

「未来ノートで道は開ける」 渡邉幸義 2008年 マガジンハウス               「7つの習慣」 スティーヴン・R・コヴィー 1996年 キングベアー出版