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介護現場のミーティング改善は必要か? 効率化のポイントを解説!

25.09.30
業種別【介護業】
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ビジネスの現場では、多くの企業で毎日さまざまな「会議」や「ミーティング」が行われています。
一般的には、「会議」は意思決定や結論を出すことが主な目的で、「ミーティング」は情報共有や意見交換を主な目的として行われています。
これは介護の現場でも同様で、目的に応じて日々多くの「会議」、「ミーティング」が実施されています。
今回は、介護現場における会議やミーティングの課題と改善のヒントを整理し、効率的な運営につなげるためのポイントを解説します。

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介護現場のミーティングの種類

介護現場では、朝・夕の申し送りミーティングをはじめ、多くの会議やミーティングが行われています。
具体的には、フロア会議、ユニット会議、リーダー・主任会議、管理職会議、医務・栄養・調理などの専門職別会議、サービス担当者会議、入退所検討会議、自宅復帰アセスメント会議、テーマ別会議などです。
質の高いサービスの提供や利用者の安全を確保するためには、スタッフ間での情報共有が不可欠であり、特に施設系の介護現場では、利用者のケアのためにさまざまな職種が連携するため、情報共有の場である会議やミーティングは欠かせません。

数多く行われている会議やミーティングは、そのすべてがうまく機能しているとは限りません。
会議やミーティングが失敗する具体的な事例としては、下記のようなケースがあります。
・目的や目標が明確ではない
目的や目標があいまいなまま進めると、議論の方向性やゴールが不明確になり、非効率なものになってしまう。
・参加人数が適正ではない
全体でのミーティングなどに直接関係のないスタッフまで参加させると、無駄な時間となり、モチベーション低下につながる場合がある。
・議題が多すぎる、または優先度が不明確
重要な事項が決まらず、話がまとまらなかったり、ほかの意見に流されて終了してしまったりする。
・経営者の都合による頻繁な変更
経営者や管理者の都合で会議が設定・変更されると、スタッフのモチベーション低下や業務への支障を招くことがある。
・会議後のフォローや情報共有が不十分
議事録が作成されず情報共有できていないと、決定事項が活かされず、トラブルや信頼の失墜につながることがある。
・会議の時間が長すぎる、回数が多すぎる
定期報告のためだけの会議や、内容が重複する会議が多いと、生産性が低下し業務へ影響が出ることがある。
・発言しにくい雰囲気
否定的な雰囲気があると参加者が委縮し、意見交換が不十分となり成果につながらない。

このような失敗は事前準備不足もありますが、会議・ミーティングの運営上の問題が大きいため、より効率的かつ効果的な内容への見直しが必要です。

介護現場で実践できる効率化の改善ポイント

会議・ミーティングを効率的かつ効果的な内容にするためには、以下の点を意識するとよいでしょう。
・目的や目標を明確にする
各ミーティングの目的や目標を確認し、内容や頻度が適正かを見直す。
・発言しやすい環境を整える
事前に検討事項を共有し、準備時間を確保する。
発言を否定から入らず、よい点を拾い上げることで積極的な意見交換が促進される。
・事前準備を徹底する
文書や写真、動画などを用いたわかりやすい資料を作成し、進行をスムーズにする。
・フォローアップを行う
議事録の作成と共有、次回への検討事項の記載、フィードバックを行うことで、会議を次につなげる。

さらに、会議にかかる時間的コストも注意が必要です。
たとえば、毎週の定例会議において1回あたり60分・5人が参加すると、1週間で5時間、1カ月で20時間、1年で240時間もの労働時間が費やされます。
これは1日8時間労働で換算すると、年間30日分の労働日数に相当します。
すべてを削減することはできませんが、会議の精査やICTシステムを活用した情報共有により、無駄な会議時間を削減し業務に活かすことができます。

会議・ミーティングの内容を定期的に見直すことは、従業員のモチベーション維持やサービスの質の向上にもつながります。
現場の課題を解決し、利用者に安心してもらえるよう、有効な会議・ミーティングの運営を心がけてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2025年10月現在の法令・情報等に基づいています。