『美容系予約サイト』からの脱却! 自前集客で成功するには
サロン経営で無視できないのが、お客を集める「集客コスト」です。
この集客コストのなかでも、特に気にしておきたいのが、美容系予約サイトを利用する際に発生する費用です。
各種予約サイトは、新規のお客を集める強力なツールとなる一方で、掲載料や手数料がかかるため、収益を圧迫してしまう可能性があります。
そのため、美容系予約サイトに頼った集客から脱却し、自前での集客を模索するサロンも出てきました。
予約サイトへの依存から抜け出し、自身のサロンだけでお客を集める、いわゆる「自前集客」の方法を模索します。
予約サイトはサロン経営には欠かせない?
美容業界において、美容系予約サイトは集客の生命線ともいえる存在です。
特に大手プラットフォームの予約サイトは圧倒的なユーザー数を背景に、多くの美容室にとって新規顧客獲得の主要な窓口となっています。
ある大手プラットフォームによれば、パソコンやスマートフォンでサロンを予約する20代女性の6割超が、美容系予約サイトを利用しているという調査結果もありました。
このような状況下で、多くのサロンは集客を予約サイトに依存せざるを得ません。
しかし、予約サイトは、お客とサロンを結びつける便利なツールでありながらも、自サロンの集客力を落としてしまうというリスクをはらんでいます。
サイトを通じて来店したお客は、必ずしもサロンのファンになるわけではありません。
予約サイトのクーポンやシステムが便利という理由で来店しているケースもあり、その結果リピーターの定着率が低くなったり、サイト内での価格競争に巻き込まれたりする悪循環に陥ることも少なくありません。
また、予約サイトを利用する際のコストの問題もあります。
予約サイトによって掲載料が異なり、プランにも幅があるため、一概にはいえませんが、美容系予約サイト経由で予約したお客の施術代金の数%が手数料として徴収されるケースもあり、一定の支出は覚悟しなければいけません。
さらに、掲載順位を上げるためにはより高い広告費を支払い、新規客獲得のために大幅な割引を提示せざるを得なくなる場合もあります。
お客と直接的な関係を構築できる自前集客
もちろん、美容系予約サイトの圧倒的なユーザー数や知名度は、サロン経営にとって大きな魅力です。
集客力の高い予約サイトには、サロンを探している多くのユーザーが集まり、好循環を作り出します。
口コミやエリア検索などで新規顧客にリーチでき、リピーター化にもつなげることができるでしょう。
安定した集客のためには、ある程度のコストがかかっても、美容系予約サイトの協力を得ながら、二人三脚で経営していくという考え方も、決して間違いではありません。
一方で、美容系予約サイトから脱却し、「自前集客」に舵を切るのも選択肢の一つです。
自前集客のメリットの一つは、集客コストの大幅な削減が可能な点です。
毎月固定で発生する掲載料や、お客一人当たりの手数料を削減できれば、その分を人件費や教育費、設備投資、サービス向上に充てることができます。
また、予約サイト内のサロン同士の価格競争から抜け出すことで、自サロンの提供するサービスや技術の価値を正当な価格で提供できるようになるでしょう。
さらに、お客との直接的な関係を構築できる点も自前集客の利点です。
予約サイトを経由しない集客は、サロンのホームページやSNS、口コミなど、すべてが自社のブランドイメージを直接的に伝える機会となり得ます。
これにより、お客は「そのサロンのファン」として来店するようになり、リピートにつながりやすくなる効果が期待できます。
他店との差別化に苦労することもなく、独自の強みやコンセプトを自由に打ち出し、共感してくれるお客と深くつながることができるはずです。
こうした美容系予約サイトに頼らない自前集客を行うためには、多角的なアプローチが必要です。
SNSを積極的に活用し、内装の雰囲気や施術後のスタイルを美しく見せる写真や動画を投稿しましょう。
ブログやオウンドメディアでは、髪の悩み解決法や最新のヘアケア情報など、お客が求める情報を丁寧に発信し、信頼を築くことが大切です。
ただし、自前集客は手間や専門知識が必要になりますし、時間もかかります。
ある程度のマーケティング知識も求められるでしょう。
新規客をゼロから開拓する労力を考えると、最初から予約サイトに頼ったほうがよいケースもあります。
自前集客を成功させるには、計画的かつ継続的な努力が不可欠です。
サロン経営の専門家などにも相談しつつ、まずはできることから進めていきましょう。
※本記事の記載内容は、2025年10月現在の法令・情報等に基づいています。