社会保険労務士法人レイナアラ

「誰かのために」が仕事への意欲を高める

16.01.29
ビジネス【人的資源】
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男子サッカーのリオ五輪アジア最終予選が1月12日から開催され、日本はわずか3つの出場枠をつかみ取り、6大会連続の五輪出場を決めた。 

チームを率いるのは、手倉森誠(てぐらもり・まこと)監督である。J1リーグのベガルタ仙台で優勝争いを演じたことのある48歳は、優れたモチベーターとして知られる。
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ミーティングは独特だ。対戦相手の情報を選手に伝えるのはもちろんだが、手倉森監督が心掛けるのはそれだけではない。五輪のサッカーは23歳以下の選手でチームが構成されるため、世代を意識した問いかけをする。 

「物心がついたときにはJリーグが開幕していた世代ですから、サッカー選手としてうまくなりたい思いがものすごく強い。それは素晴らしいことですが、われわれは日本を代表するチームです。自分たちの立場や役割を認識して大会に臨むべきで、『自分だけが成功すればいい』というような思いでは、組織が機能せず、目標に到達することもできません」 

選手には「何のために戦うのか」を問う。「国を背負う誇り」を訴えかけるのだ。 

「五輪でわれわれが頑張れば、サッカーを知らない人も『良くやった!』と言ってくれるはず。日本という国を、誇りに思ってくれる。自分たちが成し遂げたことが、どれだけ多くの人を勇気づけたり、喜ばせたりできるのか。名前も知らない人のためにだって、頑張れる選手になってほしいんです」 

ビジネスも同じだろう。仕事に打ち込めていない部下がいたら、リーダーは「キミの仕事がどれほど多くの人の生活を、気持ちを、豊かにするのかを考えてほしい」と伝えたい。 

「誰かのために働ける」人間が増えれば、組織の結束もまた高まっていくものである。


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

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