社会保険労務士法人レイナアラ

今までにない発想を!『ブレーン・ストーミング』の効果的なやり方をお話しします。その3

17.12.15
ビジネス【マーケティング】
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これまで『ブレーン・ストーミング(以下、ブレスト)を成功に導く3つのルール』のうち、ルール①『とにかく数多くのアイデアを出す』、ルール②『人のアイデアを批判せず、良いところを見つけ誉め合う』について説明してきました。 

今回はルール③『人のアイデアに乗っかり、発展させよう』について、解説します。
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“いかにアイデアを繋げられるか”がカギ 

そもそもブレストは、チームが一丸となり、よりよいアイデアを出すために行われます。 
そのため、『いかに他の人が乗っかりやすいアイデアを出すか』、また『どれだけそのアイデアに乗っかり、発展させられるか』ということがポイントとなってくるのです。 


例1:アイスの味を考えるブレストの場合 

たとえば、『今までにない味のアイスキャンディ』を考えるブレストの最中、誰かが「するめ味はどうかな?」と発言したとします。 
その場合、まずは、そのアイデアを“いいね!”と考え、どんどん“乗っかってみる”のです。 

「お! いいね。だったら酢こんぶ味はどう?」 
「うんうん。つまみの他にもお酒の味……たとえばハイボール味とかもいいよね」 
「食事で考えると、ステーキ味とかはどうかな?」 
「いいね! 冷たいアイスなのに温かいステーキってのが面白い」 
「だったら、いっそのことスープは? ポタージュとか」 

と、数人でどんどん掛け合いをし、アイデアを出し合っていきます。 
実際、『ガリガリ君リッチ コーンポタージュ』という商品が発売され、あまりの売れ行きで生産が追いつかず一時販売休止になるほど、大人気商品となりました。 


例2:商店街のイベントを考えるブレストの場合 

また、仮に『商店街の活性化イベント』を考えるブレストをしているとします。 
そこで「バンドに出演してもらえば盛り上がるんじゃない?」というアイデアが出たとしたら、やはり、いったん乗っかってみましょう。 

「バンド、いいねぇ!」 
「最近は親父バンドが流行ってるみたいだから、いっそのこと“バンドコンテスト”にしたらどうだい?」 
「年代別に賞を設けるとか?」 
「バンドの平均年齢で“最年少で賞”とか“最年長で賞”とかどう?」 
「家族で組んだバンドには“特別ファミリー賞”があってもいいね」 
といった具合に、どんどん発展させていくのです。 


アイデアに乗っかっていくことが大切 

もちろん、アイスキャンディの例でいえば、 
「そもそも、するめ味はおいしくないと思う」 
とか、商店街の活性化イベントでいえば、 
「だいたい出演者が集まるの?」、「騒音問題にはどう対処するの?」 
など、ネガティブな意見やクリアすべき課題はいくらでも考えられます。 

しかし、それらの課題や実現性は、アイデアを最大限広げた後に、次のステージで考えるべきなのです。 
まずブレストの段階では、“アイデアに乗っかって、発展させること”を優先させましょう。 
そうでなければ、斬新なアイデアを活かした商品やイベントが生まれることは難しいでしょう。 

誰かの発言に刺激され、連想ゲームのように、とにかく思いついたことを発言し“誰かが乗っかってきたら、さらに乗っかり返す!”というように、一つのアイデアを無数に展開させていくことが、ブレストを成功に導く秘訣なのです。 

次回は、商品やサービスの“ネーミング”について考えていきましょう。 



佐藤達郎のマーケティング論



●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。