税理士法人加藤会計事務所

『生成AI』を使った広告のビジュアルに違和感が生まれる理由

26.07.28
ビジネス【マーケティング】
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最近、生成AIを使って制作された広告を目にすることが増えました。
短時間で高品質の画像や動画を作ることができるため、一部の企業では、マーケティング施策の効率化に向けて、AIの導入を進めています。
新しい技術でつくられた広告の完成度に感心する人がいる一方で、そのビジュアルに対して言葉に表せない「違和感」を抱く人も少なくありません。
生成AIを使った広告のビジュアルに違和感が生まれる理由を紐解き、企業がマーケティングにおいて注意すべき点を解説します。

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生成AIで作成した広告に抱く違和感の正体

店の看板やポスター、スマートフォンの画面に流れる動画広告など、日常のあらゆる場面で生成AIを使用した広告を目にするようになりました。
専門的なデザインスキルがなくても、指示文を入力するだけできれいなビジュアルを短時間で作成できるため、多くの企業がマーケティング施策への導入を試みています。
しかし、制作のハードルが下がった一方で、生成AIを使用した広告ならではの違和感を指摘する声も多く聞かれるようになりました。

生成AIによる広告に抱く違和感の大きな要因として、表現の均一化があげられます。
AIが生成した画像は、一見すると完成度が高いものの、どこかで見たことがあるような画風や雰囲気になりやすい傾向があります。
これは、AIがインターネット上の膨大な既存データを学習し、そのなかから統計的に一般的なイメージを組み合わせて出力しているためです。

また、多くの利用者が似たような指示文を使って画像を生成するため、生成されるイメージの傾向も似通いやすくなります。
その結果、異なる企業の広告であっても、全体のトーンや人物の表情が似通ってしまい、企業独自の個性が失われてしまう可能性があります。
広告本来の目的である「他社との差別化」がむずかしくなり、消費者の印象に残りにくいビジュアルになってしまうという課題があります。

生成AIによる広告は、細部における描写の不自然さも目立ちます。
遠目には美しく洗練された画像であっても、注意深く見ると背景に描かれた看板の文字が実在しない謎の言語になっていたり、衣服の模様や建物の構造が物理的な法則を無視してつながっていたりすることがあります。
また、料理の画像であれば、現実にはあり得ない盛り付けや、おかしなレイアウトが生まれてしまうケースもあります。
人間のイラストレーターやデザイナーであれば、制作の途中で必ず気づいて修正するような不自然な点が、そのまま残ってしまうことが少なくありません。
人間は日常的に見慣れている風景や物体の不自然さを敏感に察知する能力を持っているため、こうした描写は見る人に違和感を抱かせ、時には不快感や嫌悪感を与える原因になります。

何より、生成AIのビジュアルには、人間の感性や情緒が十分に反映されていないという側面があります。
人間が手を動かして広告を制作する場合、意図しない偶然の産物や、あえて計算を崩した絶妙な余白が作品に深みや奥行きをもたらします。
これに対して、AIが生成する画像はデータに基づいて均一につくられているため、隙がなく、かえって冷たい印象や人工的な感覚を抱かせがちです。
写真表現においても同様で、人間がその場の空気感や光の加減をとらえて撮影した際に生まれる偶発性が再現できず、きれいにまとまりすぎていることが違和感を抱かせる結果になります。

無視できない炎上のリスクと使用制限の動き

見る者に違和感を与えてしまう生成AIを使用した広告は、さらに炎上のリスクも抱えています。
生成AIを用いた広告は、消費者の受け止め方次第で、クリエイターへの敬意を欠いている、あるいは制作の手抜きをしていると思われる可能性があります。

著作権などの法的要件をクリアしていれば、それだけで広告として適切であるとはいえません。
実際に、過去には複数の企業が生成AIを活用した広告を公開した際、法的要件は守っているにもかかわらず、SNSを中心に消費者の強い反発を招き、炎上に発展した事例もあります。
「コストや手間を惜しんで安易な方法を選んだ」という印象を一度持たれてしまうと、信頼を回復するのには時間がかかります。

また、アメリカをはじめとする海外の大手企業では、マーケティング業務だけではなく、さまざまな領域で、AIの利用に一定の制限を設ける動きも出てきました。
AIの導入によるコスト削減を期待したものの、最終的な品質管理や手直しに想定以上の時間と人員を割くことになり、結果としてコスト超過につながるという現実的な問題も浮き彫りになっています。

生成AIは、正しく使えば業務を効率化するツールになりますが、広告に導入する際には慎重な判断が求められます。
単にコストが削減できる、あるいは新しい技術だからという理由だけで安易に使用すると、消費者に違和感を与え、企業の信頼を揺るがす結果になりかねません。

広告は企業のメッセージを消費者に届ける一つの手段です。
広告に生成AIを使用するのであれば、なぜ人間の手ではなく生成AIを使うのかという、明確な文脈と必然性を説明できるようにしておきましょう。


※本記事の記載内容は、2026年7月現在の法令・情報等に基づいています。