Management LABO 経営会計事務所

コンテンツ・マーケティングって何だ? 動画コンテンツを中心に:その4

15.05.06
ビジネス【マーケティング】
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最近では大手広告会社も取り組んでいるコンテンツ・マーケティング。なかでもオンライン動画コンテンツは、2013年後半くらいに地方の広告主から始まりました。

僕自身は、いつもツイッターやフェイスブックから多くの情報を得ています。そうした中“流行ってる動画”として最初に認識した日本の動画が、2013年11月に公開された「雪道コワイ」です。
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「雪道コワイ」は、題名の最初にわざわざ【閲覧注意】と銘打っている40秒あまりの動画。暗い雪道を進むクルマの中から、前方を見ている映像から始まります。運転者目線の映像で、視聴する人も暗い雪道を見ていると、突然“コワイ”ことが起きるのです。

そのコワイことの内容は、この動画がビックリすることこそが命のコンテンツなので、ここに記すことはあえて避けたいと思います。興味のある方は「雪道コワイ」と検索すればすぐに見つかるので、恐さに気を付けつつ、ぜひ実際にご覧いただければ!

とにかく話題になり、すでに1,000万回近く視聴されているこの「雪道コワイyuki」は、オートウェイという福岡を拠点とするネット販売専門会社の激安タイヤショップが制作したもの。ネット専門であることから、オンライン動画の視聴の多くが実売につながりやすいであろうことは、容易に想像できます。また、その「ビックリ系どんでん返し」的な作り方も、“激安”という特性によくマッチしていて、納得のいくものです。

もうひとつ2014年の3月には、「TOSANDO music」という岩手県の音楽教室や楽器を扱う会社が制作したオンライン動画コンテンツが、“泣ける動画”として話題になり、200万回以上視聴されました。

3分30秒の長い動画。舞台となるのは結婚式の披露宴会場。新婦の父親の挨拶だと司会者が紹介すると、ピアノを弾けないはずの父親がなぜかピアノの前に。そこから、父親のたどたどしいピアノ演奏に、家族の歴史を交えたストーリーが展開され、最後に「TOSANDO music」という会社の動画だと明かされます。

オンライン動画コンテンツを作ってYouTube等で流すこの手法は、テレビCMを放映するのに比べると圧倒的に経費が少なくて済みます。この手法の流行が、こういった“大手とは言えない”広告主から始まったのも、その辺に理由がありそうです。これらいくつかの成功例を見て、前回までに紹介したような大手広告主も、このコンテンツ・マーケティングの手法を採用し始めたと言えます。

次回から、アメリカではコンテンツ・マーケティングと並んで注目されているリアルタイム・マーケティングについて、ご紹介していきましょう。

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『こんどは、リアルタイム・マーケティング! それって、いったい?:その1』をお届けします。


佐藤達郎のマーケティング論


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

[記事提供]

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