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アメリカと日本での文化的背景の違いを知ろう~企業のグローバル化で不可欠な要素

14.11.19
ビジネス【人的資源】
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太平洋戦争が終わって来年で70年になります。
戦争は、文化の違いから発生するともいえるでしょう。
あるいは、文化の違いを知らないということが大きいかもしれません。
敗戦後、アメリカに占領され、日本の憲法をはじめ制度改革が一挙に行われました。
それは、年寄には目の回るような改革でしたが、若い人ほどアメリカのカルチャーに慣れ親しんだものです。
「日本はアメリカの49番目の州か」と言われるほどでした。
ところが、占領が終わって日本の経済が復興し、生活が落ち着いてくると、家族制度や産業構造など日本の伝統的な体制が復活する動きもありました。
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企業成長のための人的資源熟考

先進国の企業が途上国に工場をつくるようになると、地元の人たちとの交流が深くなります。
すると、地域による違いが注目されるようになりました。
日米の間でも、あらためて文化の違いが注目されて調査研究が行われました。
とくに1980年代には、「日本的経営」が成功モデルとして注目され、日米の価値観の違いが明らかになってきました。

そのころわかってきた違いとは、次の通りです。
・人間関係では、アメリカは個人主義と独立が基本であるのに対して、日本はグループの一員であることが基本
・職場ではアメリカが才能・積極性が強調されるのに、日本では協調性・融通性が大事
・意思決定はアメリカがトップダウンに対して日本はボトムアップ
・争いごとはアメリカでは白黒をつけるのが当然なのに対して、日本では灰色をよしとする
というように、人々の考え方の違いが明らかになってきました。

ある日本人女性がアメリカの証券会社に就職しました。
アメリカ系ですからもちろん、女性と男性の区別はありません。
そこで真っ先に言われたことは、「職場では自主の主張がなければならない」ということでした。
上司の指示に従うことが日本の組織の原則なのに、アメリカでは常に自分の意見を上司に言うという反応が大切。
上司も部下の意見を聞くという関係だそうです。
日本の企業では部下がいろいろ言うと、うるさい、面倒くさいなど、とかくマイナスのイメージを与えます。
そして意思決定が速いアメリカのトップダウンも、問答無用の命令でないということもわかりました。


[プロフィール]
佐野 陽子(さの・ようこ)
慶應義塾大学名誉教授。1972年慶應義塾大学商学部教授。87年から2年間、日本労務学会代表理事。89年から2年間、慶應義塾大学商学部長・大学院商学研究科委員長。96年東京国際大学商学部教授。2001年から4年間、嘉悦大学学長・経営経済学部教授。主な著書:『はじめての人的資源マネジメント』『企業内労働市場』(ともに有斐閣)。

[記事提供]

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