Management LABO 経営会計事務所

ネットの医療情報、打率は3割

14.10.05
業種別【医業】
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診療室で、怪しい健康情報に接している患者さんの“珍説”を聞かされたことはありませんか?

インターネットで提供される医療情報は無数にありますが、それがEBMに準拠した正しい情報かというと、必ずしもそうではありません。
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選ばれるクリニックへのナビゲーション

東京大学呼吸器内科の後藤悌先生がご自身の専門である肺がんについてネット情報の妥当性を調査した報告によれば、日本のGoogleで検索された上位50位のサイトのうち、医学的に正確な記事はわずかに3割。

日本のYahooでは4割強といったところで、正しい情報が8割を占める米国のGoogleとは大差があるようです。

患者さんから見れば、上位の情報は「選ばれた情報」「皆が見ているから安心」と勝手に期待して読んでいるのではないかと思いますが、後藤先生によれば、「日本では、検索サイトによって上位に表示されたサイトであっても、がん情報の内容は必ずしも正しくない」とのこと。

たとえば、リンクが多いか否かなど、各検索エンジンはそれぞれ未公表のアルゴリズムをもって、恣意的に順位を決めています。

ちなみに「SEO対策」の専門家という職種は、まさにそのアルゴリズムを解読し、月5万円(薬局、病院などの場合)程度の報酬で、クライアントのホームページを1位に押し上げるべく、サイトに技術的な手を加える技術者です。

このからくりを知っているドクターが「上位だからといって、正しい情報とは限らないんですよ」と患者さんに伝えたら、「この先生、わかってる~」と患者さんの信頼感も高まるのではないでしょうか。

日ごろ、信頼関係ができていても、いざ深刻な病気にかかれば患者の情報源は「かかりつけ医よりもインターネット」に移行します。

ネット情報の使い方にも的確なアドバイスをすることが、患者さんとの信頼関係づくりに一役買う時代です。
次回は、より具体的なアドバイスのポイントをご紹介します。


次回の選ばれるクリニックへのナビゲーションは、『「信頼できるサイト」の条件』をお届けします。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
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