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「指摘」と「叱責」の違いとは?

16.05.26
ビジネス【人的資源】
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企業におけるこの時期は、新入社員が会社に慣れてくるタイミングだろうか。研修期間が終わって新入社員の所属部署が決まり、新しい組織が本格的にスタートしているころかもしれない。 

“お客さん”でなくなったとはいえ、新入社員であることに変わりはない。戸惑いの日々を過ごす者もいるだろう。 

組織のリーダーからすれば、新入社員に指摘をする場面も出てくるはずだ。指示よりももっと強く、改善や修正を促す場面が。
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同じ言葉をぶつけても、世代が違えば受け止め方は異なる。現在進行形で組織を束ねるリーダーなら、すでに実体験として理解していることだろう。

「指摘」のつもりが「叱責」と受け止められたりすると、そののちの仕事にも影響を及ぼす。 

スポーツの監督やコーチは、一回りも二回りも世代が離れた選手と接する。ジェネレーションギャップと向き合いながら、彼らは結果を追及している。 

箱根駅伝で2連覇を達成している青山学院大学陸上部の原晋監督は、「選手に考えさせる」ことを意識している。

たとえば、選手が「右足の裏が痛いのですが、どうしたらいいですか?」と聞いてきたら、「なぜそこが痛いのか、まず自分で考えてみなさい」と問い返す。 

選手は自分の走り方に思いを巡らせ、参考資料を開く。その上で出してきた答えに対して、指導側の意見を伝えるのだ。 

キーワードは「やらされている感」の排除である。自発的にモチベーションを掘り起こしていかなければ、好きで始めた競技への熱がどこかで冷めてしまう。 

単に怒るだけの叱責ではなく、改善につながる指摘をしていくために──新入社員にまずは考えさせる。すなわち自己分析の習慣を植え付けることを、リーダーは心掛けたい。


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

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