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ネイティブ・アドって知ってますか? ツイッターやフェイスブックの新しいタイプの広告です

16.05.26
ビジネス【マーケティング】
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ここ2~3年、主にネット広告の分野で注目を集めているのが、「ネイティブ・アド」です。

例えば、ツイッターやフェイスブックで、一般の人の投稿と同じ形で企業の広告が掲載されているものです。

もちろん、広告を見る人が、一般の人の投稿とは区別できることが必要なので、ツイッターでは「プロモーション」、フェイスブックでは「広告」という表示がされています。

また、掲載されるネイティブ・アドを非表示にするのも、簡単な操作でできるようになっています。
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こういった「広告であることを明示しながらも、一般の記事と同じ体裁を取る広告」は、新聞や雑誌でも「記事体広告」と呼ばれて、古くから行われてきました。

広告掲載面に広告を自然に溶け込ませることで、ユーザーにコンテンツの一部として見てもらい、興味を持ってもらう可能性を高めようというわけです。 

ネット上のサービスで、このネイティブ・アドの活用が急速に進んだ理由は、主に2つあると考えられます。 

1つは、人々がインターネットの利用に慣れ親しんだ結果として、ほぼ自動的にバナー広告を無視する利用者が増え、「バナー広告が効かない」と言われ始めたことです。

広告主企業はお金を払って広告するわけですから、より効果の高い広告手法を求め、ツイッターやフェイスブックの側も、広告を出してもらうための新手法を模索したわけです。 

2つ目の理由は、モバイル端末の利用増加が挙げられます。

インターネットの利用は、スマートフォンの普及で、パソコンからモバイル端末に劇的に移行していると言われています。スマートフォンを考えた場合、画面の小ささという物理的な要因から、バナー広告はパソコン以上に見られない存在となっていたからです。 

僕自身は、スマートフォン上に掲示されるバナー広告をひどく煩わしいと感じていたので、ネイティブ・アドに対して基本的に肯定派です。

スマートフォンのどこかをタッチしようとして、間違ってバナー広告をタッチしてしまう不快感から解放されました。 

ただ一方で、広告であることを明示することは大変に重要です。その意味では、現状の「広告」や「プロモーション」の文字は、もっともっと目立つ色合いでしかるべきではないでしょうか。

一般のコンテンツとネイティブ・アドの境界があいまいになることは、利用者の不信感を買いかねず、メディアおよびサービス自体も信頼を失いかねないからです。 

ツイッターもフェイスブックも、ユーザーは無料で利用できるサービスです。

しかし、運営費用もかかり、そうした企業で働く人の給料も出さなければならないので、なんらかのマネタイズ(収益化)は、絶対に必要です。

そして、そのマネタイズは、極力ユーザーが不快に感じない形で行われるべきです。

それは利用者にとっても良いことですし、快く使えるユーザーが多ければ、利用者や利用時間が増え、企業にとっても得になるという好循環につながるからです。 

そういった意味で、広告であることをハッキリ明示したネイティブ・アドは、ネット上のサービスにおける重要な広告形態と言えるでしょう。 

次回は、また新しいマーケティング用語を取り上げていく予定です。 

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は『トリプルメディアっていったい何でしょう? 欧米ではPOEM(“詩”ですね)と呼ばれています』をお届けします。


佐藤達郎のマーケティング論 


[プロフィール] 
佐藤 達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。 

[記事提供] 

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