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あなたは監督タイプ? コーチタイプ?

15.03.29
ビジネス【人的資源】
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スポーツの指導者には「タイプ」がある。
現場の最高責任者としての監督と、チーム内の橋渡し役となるヘッドコーチである。
どちらもできる器用な人間もいるが、どちらかの性格が強い人間が多い。

昭和の時代は強いリーダーが求められた。
“親分肌”と呼ばれたり、剛腕をふるったりする人材が好まれた。
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2015年は違う。
周囲の意見を巧みに吸い上げる“調整型”のリーダーが主流だ。

そこで重要なのが、組織の代表とその右腕となる中間管理職の関係である。
スポーツの世界なら、監督とヘッドコーチだ。

組織を束ねる上司が部下に歩み寄っても、部下は簡単に心を開かない。
開けない、と言ったほうがいい。
不用意な発言をして自分の利益が損なわれることを、部下は無意識のうちに警戒するものだ。

上司には打ち明けられない部下の本音を引き出すのは、ヘッドコーチ格の中間管理職の役割だ。
ここで大切なのは、部下の愚痴を聞くことがヘッドコーチの仕事のすべてではない、ということである。

上司(監督)はどんな戦略を描いているのか。
そのなかで、一人ひとりの部下は何を果たしていくべきなのか。
上司が事細かに説明できない仕事の細部を部下に伝達し、モチベーションを刺激するところまでが、中間管理職(ヘッドコーチ)の仕事なのだ。

結果を残している組織には、優れたリーダーがいる。
優れたリーダーの隣には、調整能力に長けた中間管理職がいる。
ヘッドコーチ格の人材を育てることは、目指すべき方向へ組織を導く第一歩になる。

もうすぐ開幕するプロ野球では、ベンチの様子に注目してほしい。
分かりやすいのは得点後だ。
風通しが良いチームは、監督、コーチ、選手が一体となって歓喜を分かち合っていることに気づくはずだ。


スポーツの視点からみる人的資源


[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
 
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