税理士法人ベストフレンド

『エシカル消費』を推進するために企業が行うべきこと

23.09.26
ビジネス【マーケティング】
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持続可能な開発目標である『SDGs』にも関連する、『エシカル消費』が注目を集めています。
エシカル消費とは、人や社会や環境に配慮した商品を購入する消費行動のことです。
消費者がそうした商品を選んで購入すると、SDGsの観点でプラスになり、地球の将来に貢献することになります。
また、この社会的課題に対する意識を高めるために、企業もエシカル消費を推進する商品を提供していくことが重要です。
企業がエシカル消費を推進するための方法について、実例を交えながら解説します。
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エシカル消費に該当する消費行動とは?

SDGsとは、2015年9月に国連の『持続可能な開発サミット』で採択された2030年までに目指すべき17の持続可能な開発目標のことです。
このSDGsの12番目にある「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な消費と生産を構築するために、作る側である企業と使う側である消費者が積極的に取り組んでいかなければいけない目標として設定されました。

企業が商品を企画・開発して消費者のもとに届けるまでには、さまざまな原材料が必要であり、多くの人が携わります。
商品の原材料を生産している開発途上国では、安い賃金で働かざるを得ない人たちがおり、商品を生産する段階で発生する化学物質や汚染物などの有害な廃棄物による環境汚染も深刻化しています。
また、世界で生産されている食料の3分の1は捨てられているというフードロス問題も見逃せません。

消費者それぞれが、こうした商品の背景にある社会問題に目を向け、人や社会や環境に配慮して商品を選び、購入するのがエシカル消費です。
たとえば、以下の消費行動に関する配慮は、すべてエシカル消費に該当します。

●環境への配慮
リサイクル素材を使用した商品や環境保護に関する認証を受けた商品を選ぶ。
●社会への配慮
適正な価格で継続的に取引された開発途上国の原料が使われている商品や製品を選ぶ。
●人への配慮
働きたい障がいがある人の支援につながる商品を選ぶ。
●地域への配慮
地域活性化や輸送エネルギーの削減につながる、地産地消の商品を選ぶ。
また、経済復興を応援するために被災地の商品を選ぶ。
●生物多様性への配慮
水資源や森林環境を守るために認証ラベルのついた商品を選ぶ。

企業は、これらのエシカル消費に則した商品を提供することで社会問題の解決に貢献でき、同時に自社のイメージアップや他社との差別化などを図ることができます。

エシカル消費を推進する商品の事例

実際に、日本でも多くの企業がエシカル消費を意識した商品を販売しています。
今や生活に欠かせないアイテムとなったスマートフォンも、近年では、初期不良があった製品や返品された製品を、メーカーが品質基準に沿って新品と同等に修理・調整した『リファービッシュ品』が人気を博しています。
リファービッシュ品は専門家によって修理・調整されているため、新品と同じ動作がメーカーから保証されており、現状販売が原則の中古品とは品質が異なります。
メーカーも初期不良製品や返品製品を廃棄せずに済むため、大手キャリアなどでは、積極的にリファービッシュ品の認定や販売を行っています。

また、『国際フェアトレード認証商品』も、エシカル消費を推進しているものの一つです。
国際フェアトレード認証とは、開発途上国で生産されている原料や製品が公平な条件で取引されていることを認証する制度で、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準を満たした商品には、認証ラベルが貼られています。
日本国内でも、コーヒーや紅茶、チョコレートなど、約1,500点もの国際フェアトレード認証商品が流通しています。

年齢や性別、文化や身体の状況などにかかわらず、誰もが利用しやすい普遍的なデザインのことを「ユニバーサルデザイン(以下UD)」と呼びます。
そのUDを取り入れた製品やサービスなども、人に配慮したエシカル消費を推進しています。
近年は、文房具や家具、生活必需品や玩具などにもUDを取り入れたアイテムが増えており、こうした傾向は今後も続いていくでしょう。

2022年に行われた消費者庁の『エシカル消費に関する消費者意識調査』によると、エシカル消費というワードの認知度は26.9%でした。
一方、2020年度に行われた同調査では12.2%に留まっており、2年間でその認知度は2倍以上に増えています。
消費者がエシカル消費を今以上に意識するようになれば、企業側の社会的な責任もより求められるようになります。
エシカル消費を推進するために、自社では何ができるのかよく考えてみましょう。


※本記事の記載内容は、2023年9月現在の法令・情報等に基づいています。