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なぜ個室診療が喜ばれるのか? その重要性と導入する方法

22.03.01
業種別【歯科医業】
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患者の治療を診療台ごとに仕切った個室診療のクリニックが増えています。
患者のプライバシーや個人情報を保護できるほか、新型コロナウイルス感染症のまん延を防ぐための、エアロゾル対策としても有効です。
日本では現在、一つの空間に数台の治療台を設置している歯科医院が主流です。
しかし、これから開業やリフォームを予定しているのであれば、集客につながる可能性もあります。
診療室のレイアウトを考える際に知っておきたい、個室診療のメリットやデメリットを紹介します。
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個室診療の3つのメリット

個室診療とは、ほかの患者の治療音や声が聞こえない完全個室の空間で行われる診療を意味します。
個室診療のメリットは大きく分けて、3つあります。

まず1つ目が、『プライバシーと個人情報の保護』です。
歯科医院は、問診票や診療録(カルテ)、検査記録や口腔内写真、歯型、処方箋、X線写真などの個人情報が多く、歯科医の何気ない一言から、患者の個人情報が漏れてしまうこともあります。
「自分の口のなかの状態をほかの人に知られたくない」「歯科医師とのやりとりを聞かれたくない」という患者は多く、プライバシーや個人情報の保護に配慮がないクリニックは、患者から積極的には選ばれません。
個室診療は、歯科医師と患者が個室で1対1になるため、プライバシーと個人情報を守ることができます。

2つ目のメリットは『感染予防』です。
歯科医院で治療を行う際に、回転切削器具や超音波機器、歯面清掃器などを使用すると、歯の切削片や唾液、血液などが飛び散ることがあります。
特に『エアロゾル』と呼ばれる、空気中に浮遊する微小な切削片や飛沫などの微粒子を媒介とする感染症について、歯科医院は常に意識しておく必要があります。

個室診療であれば、患者同士の接触する機会が減るため、たとえエアロゾルが飛散しても、患者間の感染を防ぐことができます。
コロナ禍では感染対策をどれだけ講じているかが患者から選ばれるポイントにもなっており、個室診療は大きなアドバンテージとなるはずです。

そして、3つ目のメリットが『診療に集中できる』ということです。
個室診療であれば、雑音がシャットアウトされるため、歯科医師は治療により集中しやすくなりますし、患者側も周りを気にせずに、リラックスして治療を受けられるでしょう。
また、コミュニケーションが取りやすいという利点もあります。


診療空間を区切るパーテーションの可能性

一方で、個室診療にはデメリットも存在します。
歯科医師が個室に入ってしまうと、クリニック全体の様子が把握しづらくなることです。
スタッフのオペレーションも見えづらくなる可能性があるので、その点は意識して確認するなど、カバーが必要です。
また、部屋ごとに器具を用意したり、空調を揃えたりといったコスト的な問題も発生します。
メリットとデメリットを理解したうえで、改装やリフォームの際に個人診療の可能性を探っていきましょう。

もし、改装やリフォームまで行うのは難しい場合には、パーテーションで区切るという方法もあります。
パーテーションの導入は、それほどコストをかけずに実施することができます。
通常のパーテーションのほかに、L字キャビネット型やR形状型、半透明型やブラインド型など、さまざまな製品があり、診療空間の広さやコンセプトによって、選ぶことが可能です。

もちろん、完全個室に比べると、パーテーションで区切られた診療空間はプライバシー保護や感染予防などの点で完全ではありませんが、まったく仕切られていない空間と比べると、印象は大きく異なります。
また、パーテーションは使い回せるものも多く、患者数や必要な医療器具の状況に併せて、比較的簡単にレイアウトを変更することもできます。

診療空間は、歯科医の仕事場であると同時に、患者を迎え入れる接客の場にもなります。
まずはどれくらいの予算が割けるのかを考えながら、個室化やパーテーションの導入などを検討してみましょう。


※本記事の記載内容は、2022年3月現在の法令・情報等に基づいています。