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OEMってどんな意味? 委託生産のメリットとデメリット

21.08.24
ビジネス【マーケティング】
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自動車メーカーのダイハツが、トヨタのブランドで販売される車を製造していることは、自動車に興味のある人の間では有名な話です。
これをOEM(オリジナル・エクイップメント・マニファクチャリング/Original Equipment Manufacturing)といい、メーカーが、他社のブランドの製品を受託生産する手法のことをさします。
ダイハツやトヨタのような大企業のみならず、自社で製造ラインを持たない企業が、他社に製品製造を依頼するのはよくあることで、OEMをすれば、生産設備を持たずとも、自社ブランドを持つことが可能になります。
今回は、大企業・中小企業を問わず、多くの企業が利用しているOEMについて解説します。
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中小企業にもよくあるOEM

オリジナルブランドを持つ企業のすべてが、必ずしも自社工場を持っているわけではありません。
企画やコンセプトを自社で考案し、製造については他社に委託しているところも、実は多いのです。
特に、中小企業では「資金力がないから」「技術がないから」といった理由で、オリジナルブランドを持つことをあきらめてしまうケースも多いのですが、オリジナルブランドを持つだけであれば、それほど多くの資金や時間を注ぎ込まなくても可能です。
それが、OEM生産といわれる手法なのです。

OEM生産といえば有名なのが、冒頭で述べたような自動車です。
街で似たような車に、別のメーカーのエンブレムがついているのを見たことがある人は多いでしょう。

スズキの軽ワゴン『ワゴンR』は、マツダの『フレア』という車種として流通していますし、軽バンの『エブリイ』は、日産の『NV100クリッパー』、マツダの『スクラムバン』、三菱の『ミニキャブバン』と、合計4社のブランドで販売されているOEM車です。
ちなみに、ワゴンRとフレアの例でいうと、スズキがOEM生産の依頼を受けた製造元の企業で、マツダがOEM生産をスズキ側に依頼した依頼者側の企業、ということになります。
この場合、ワゴンRは『ベース車』と呼ばれ、フレアはワゴンRの『OEM車』と呼ばれます。


OEMの供給を受けるメリットとデメリット

OEM製品を供給する側のメリットとしては、既存の製品のパーツや技術を利用することで開発費用を抑えられ、大量生産によるコストの削減で、利益率が高くなることなどがあげられます。

そして、OEMの供給を受ける依頼者側は、自社の製造ラインや工場を持たなくても、自社のブランドを持つことができますし、開発コストをかけずに商品のラインナップを増やすこともできるのです。
自社で一から商品を開発する場合と比べて、OEMをほかの企業に委託したほうが、はるかにコストを抑えることができるというわけです。

また、他社の工場で生産するため、部品や原料の在庫が余ってしまうリスクを低減できますし、新商品を開発するための人員や時間も節約できます
小ロットから対応可能なOEMメーカーも増えてきており、資金面のリスクもさほど大きくないうえに、委託することによって営業や販売促進など、開発以外の業務に集中できるのも大きな利点です。

人材や開発費などが限られている中小企業にとって、OEMの委託は、さまざまなメリットのある製造方法であるといえます。

しかし、デメリットもないわけではありません。
製造を他社に丸投げしてしまっているので、自社の技術力が育っていかないという問題が一つ。
また、OEM生産の供給を受ける場合、他社がコストを管理するため、自社生産よりも収益率が低くなる可能性もあるでしょう。
さらに、同じ商品を異なるブランドで販売することになるため、製造元が競合になりやすく、商品の売れ行きが鈍ることもあり得るでしょう。

こうしたデメリットも踏まえつつ、OEM生産で本当によいのか、慎重に検討しましょう。

近年は、自動車業界やアパレル、化粧品業界だけではなく、パソコンやスマートフォン、飲料水や食品など、あらゆる業界でOEM生産が行われています。

OEMを依頼する場合、複数から見積もりを出してもらうことも可能になってきているので、しっかりと相手先を見極めることができれば、比較的少ない費用で自社ブランドを持つことができます。

現在はOEMを専門に請け負う『OEMメーカー』もたくさんあり、会社ごとに得意分野や条件も違います。
一社にすぐ決めないで、メーカーを見比べながら、自社の目的や予算に合ったパートナーを探していきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年8月現在の法令・情報等に基づいています。