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従業員が突然来なくなった! 雇用側がとるべき正しい対処とは

20.10.06
業種別【飲食業】
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昨日まで真面目に働いていた従業員が、突然、翌日から出勤せず音信不通に……。
そんな時、上司や会社側はどう対処すべきなのでしょうか。
今回は、突然来なくなって連絡も途絶えてしまった従業員への対応の仕方と、トラブルを未然に防ぐためにできることを考えていきます。
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無断欠勤でも、まずは理由を知る努力を

社員やアルバイトとして雇っている従業員が、突然連絡もなく欠勤するケースは、残念ながら多々あります。

日々の勤務態度から、無断欠勤するような従業員ではないと考えられる場合は、事件に巻き込まれた、病気になった、などで、連絡ができない状況に陥ってしまっている可能性もあります。
そのような場合には、自宅を訪ねたり、その従業員の家族や大家、周囲の知り合いにコンタクトを取ってみましょう
あらゆる手段を駆使して連絡が取れなかったとしても、少し待ってみることも大切です。
数日後に本人から連絡が来て、事情が明らかになるということも十分にありうることです。

無断欠勤が長く続く場合、事業主としては解雇が頭によぎるでしょう。
一般的に、『無断欠勤が〇日におよび、なお所在不明のときは、その翌日をもって自然退職とする』などと就業規則に定めていれば、それに則り退職の手続きをすることは可能です。
しかし、そのためには、

●無断欠勤の状況をきちんと把握し、無断欠勤の証拠を残す
●事前に通知する(『〇日までに連絡が取れない場合には、就業規則の定めに基づいて解雇手続きを行う』など)

といった手続きを踏むことが重要です。

アルバイトに対しても同様で、ほんの数日の無断欠勤だけで解雇することは不当扱いになるケースもあります。
その従業員に辞める意思がなければ、逆に不当解雇を申し立てられ、トラブルの原因になる可能性もあるのです。

しかし、いざふたを開けてみれば、無断欠勤の理由を「ただ行きたくなかった」「仮病だった」と説明されることも少なくないというのが現状です。

また、その人が心身的問題を抱えている場合、無理に出勤を命じたことで問題を大きくしてしまう可能性があるため、雇用側も慎重な対応が必要です。
まずは相手の状況と出勤意思を確認し、体調が悪いということなのであれば「お大事に」と気遣うくらいの姿勢をみせるほうがよいでしょう。


無断欠勤をトラブルに発展させないために

無断欠勤をした従業員への対応として、ポイントとなるのは、その従業員が欠勤する『理由』と『頻度』です。
欠勤理由や経緯を詳細に記録し、無断欠勤した従業員に対する制裁が妥当かどうかを見極めましょう

この場合に特に多いのが、貸与している制服や備品などの未返却です。
アルバイトのなかには、軽い気持ちで突然仕事場に来なくなり、悪気もなく貸与品を返却しない人も残念ながら存在します。
まずは従業員に制服の返却を要求し、それでも返却されない場合に制服代を弁償させるなどの措置をとることもできます。

また、従業員が社会保険に加入していながら、突然の欠勤が続いて解雇となったのなら、雇用主側はすみやかに脱退手続きをする必要があります。
加えて、突然来なくなることによって店が損失を被った場合は、『損害賠償』を請求できるケースもあります。
個人経営の店などは、こうした事態まで想定しておくことも大切です。

従業員が無断欠勤すると、「これだから若い人は……」と、一方的に責めたくなるオーナーもいるかもしれません。
しかし、そこは憤りを静め、「なぜ、休みたいと思ったのか」を探る努力をしましょう。
管理者に求められる重要なことは、解雇の英断ではなく、まず相手の話を聞こうとする姿勢です。
連絡もなく休んだり、遅刻を繰り返したりするアルバイトはともかく、それまで真面目に勤務していた人が、急に前触れもなく休むのには訳があるはずです。
無断欠勤の裏には、店長クラスや歳の離れた管理職の立場からは分からない、従業員同士の人間関係のもつれがあるのかもしれません。
マネジメントする側は、踏み込み過ぎない程度に、ほどよい距離感で従業員たちとの信頼関係をつくっていくよう心がけましょう。

『突然来なくなった=即解雇』では、人材が育たないばかりか、いくら時間と研修費をかけても“ふりだし”に戻ってしまいます。
無断欠勤した従業員を解雇する前に、そのような事態を注意勧告と受け止め、従業員のマネジメントから見直してみるのもよいかもしれません。


※本記事の記載内容は、2020年10月現在の法令・情報等に基づいています。