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NOをYESにする力! 結果を出すための「説明術・プレゼン術」その2

14.10.15
ビジネス【マーケティング】
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プレゼンの基本中の基本。
そのひとつは、自分たちが考えて来たプロセスを、相手に共有してもらうことだと思います。なぜでしょうか?
それは、プレゼンをする相手が「自分と違う立場の人」だからです。

上司だったり、お客さまだったり、ずっと一緒に提案を検討して来た仲間には説明は不要です。
部長のOKを取るために行う説明・プレゼンの場合も、部長は途中の打ち合わせには出ていないことが普通です。
部長は多くの案件を抱えているので、ある程度まとまったところで“提案を受ける”形になるのです。
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佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法

だから部長は、あなたや仲間が考えたプロセスを知りません。
「Aの方向で」と言われ、最初はその形で考えていたのだけれど、よく考えたらBがいいと思い、その後議論を繰り返してCという結論に至ったとしても、そのプロセスを共有していないのです。

いきなりC案を提示されて、その案の良さを説明されても、頭が付いていきません。
「俺はA案の方向で指示したはずだぞ」とお怒りにならないとも限りません。

あなた自身が、あるいはチームが一生懸命に考えて至った結論です。
でも、部長はそのプロセスを共有していない。
説明・プレゼンという短い時間で、手際よく、しかも丁寧にプロセスを追う必要があります。
そのプロセスを共有し、そのプロセスに納得さえしてくれれば、部長のOKはもらえるはずです。

この「プロセス共有法」は、プレゼンの中身を考え組み立てていく際に、実は最も簡単な方法でもあるのです。
自分達が(あるいは自分が)考えて来た経緯を、そのまま書けば良いのですから。
非常に素直な説明になり、また納得性の高いプレゼンの骨子を、比較的簡単に作ることができます。

もちろんそれだけでは上手くいかないケースがあるのが、説明術・プレゼン術の難しいところです。

なぜ、それだけでは、上手く行かないか。
相手は「あなたではない」からです。
部長は部長であり部員ではありません。
お客さまはお客さまであり、提案する側ではありません。

だから、“相手の立場で”“相手の目線で”“相手の言葉で”語る必要があります。
部長になったつもりになってください。
部長は何が気になるでしょうか?
部長の頭には、取締役の顔がちらついているかもしれません。
あるいは、うるさ型の他部門部長の顔が浮かんでいるかもしれません。
それを、可能な限り想像しましょう。
その想像に基づいて「プロセスを共有してもらう」というプレゼンのもともとの組み立てを、適切に修正していきましょう。

この「相手の立場を想像する」には、リアルに相手の席に座るところを想像してみることが役に立ちます。
僕は「相手の目カメラ」と呼んでいるのですが、相手の目線で、自分のプレゼンを眺めてみて、そこから修正を始めるのです。

次回からも引き続き、説明術・プレゼン術について、お伝えしていきます。


次回の「佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法」は
『NOをYESにする力! 結果を出すための「説明術・プレゼン術」その3』をお届けします。


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

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