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エステを解約するには? クーリングオフと中途解約

20.08.25
ビジネス【法律豆知識】
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エステティックサロンでエステを受ける場合、10回コースや20回コースといった形で施術に通うことがあります。
複数回の施術がセットになっているため費用はそれなりに高額になることがあり、途中で施術を受けるのを止め、残った回数分の返金を受けたいという消費者も少なくありません。
その方法として、特定商取引法は、消費者保護のため『クーリングオフ』と『中途解約』という制度を用意しています。
今回は、日常生活のなかでも耳にすることの多いこの二つの制度について、詳しく説明します。
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期間内なら違約金不要のクーリングオフ

特定商取引法では、契約締結後、一定の期間内であれば違約金の支払いもなく無条件で契約を解除できる制度を設けています。
これが、クーリングオフ制度です。
エステなど実際に受けてみないとその効果がよくわからないものに対し、消費者が冷静に判断できずに契約へと踏み切ってしまった場合に、それを救済するための制度です。
つまり、消費者に頭を冷やして考え直す機会を与えるための制度であり、解除の際、理由も不要となります。

特定商取引法上、エステティックサロンも特定継続的役務提供(長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引)にあたるため、エステティックサロンで10回コースといった施術コースの契約を締結しても、消費者はクーリングオフによる契約解除が可能です。
これは消費者からの一方的な意思表示によって行えるので、事業者側が契約解除を拒否してもクーリングオフの効果は発生します。

クーリングオフは、契約を撤回した消費者が店舗側に違約金を支払うなど、消費者に対するサンクション(懲罰的な不利益)が何もない契約解除制度であるため、無条件に行えるようにしてしまっては、事業者に大きな不利益を与えかねません。
そこで、クーリングオフを行うには厳格な要件も定められています。

それが、クーリングオフを行える期間の限定です。
契約解除をしたい消費者は、契約書面を受け取った日から、8日以内に解除の意思表示をしなくてはなりません
郵送の場合は消印がクーリングオフ期間内であれば対象となり、事業者に届くのは期間後でも構いません。

クーリングオフは、期間を経過してしまうとできないため、期間内に解除の意思表示を行っているという証拠が極めて重要となります。
そこで、クーリングオフの意思表示は、記録の残る、内容証明郵便、特定記録郵便、簡易書留、電子メールといった方法を用い、受領証等は必ず保管しましょう。
電話による口頭での意思表示は記録が残らないため、おすすめできません。


関連商品も対象となる中途解約

特定継続的役務取引については契約書面を受け取った日から8日以内のみクーリングオフが認められていますが、消費者はこの期間を過ぎても、中途解約という形で契約を解除することが認められています
中途解約においても、解約の理由は一切不要です。

また、中途解約は、エステのみならず、エステに関連する商品を購入した場合に、その関連商品についても行うことが可能です。
関連商品とは、たとえばエステサロンでエステの効果を高めるために必須とされているような健康食品や美容器具などです。
エステティックサービス契約書に『関連商品』という欄があり、商品名がそこに記載されているのが通常です。
関連商品は、開封していなければ、商品の返品と引き換えに購入代金の返金を求めることができます。

また、中途解約はクーリングオフと異なり解約期間の制約がないことから、解約の際、事業者に違約金を支払わなくてはなりません
違約金の額は、エステの場合は2万円か、返金を受ける未履行のサービス料の10%のうち、どちらか低い金額となります。

クーリングオフや中途解約は、消費者にとっては返金を受けられるありがたい制度です。
しかし、事業者の立場では返金を強いられる制度ともとれます。
事業者側がいろいろと理由を述べてクーリングオフや中途解約に応じない場合もありますし、返金時期が遅くなる場合もあるでしょう。
企業とのやり取りでトラブルが起きてしまわないように、クーリングオフや中途解約についても、契約時にきちんと確認してくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2020年8月現在の法令・情報等に基づいています。