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ドラスティックな人事異動が消費増税を跳ね返す!

14.10.05
業種別【美容業】
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首都圏の大都市郊外に6店舗の美容室を経営するW社。

この4月に全店舗の店長を一新し、社の体制をドラスティックに変革した。その効果で、消費増税の影響をほとんど受けず、客数と売上がアップ。

人事異動にはどんな狙いがあり、どのようなメリットがあったのか?
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となりのヘアサロン

これまでW社の店長はベテランのスタイリストが担っていた。それを今年4月から、年齢が比較的若い中堅クラスの男性スタイリストに刷新。狙いは会社の体制を抜本的に改革することにあった。

店長には本来、現場のサロンを見る役目と、会社全体を統括する役目がある。しかし、実際は日々のサロンワークに忙殺され、会社全体までなかなか目が行き届かなかった。

そこで、従来の店長には全社的なマネージメントに軸足を置いてもらうため、全員の肩書きをチーフもしくはマネージャー職に変更。サロンワークのかたわら各店舗に足を運び、清掃やスタッフの調子、服装、売上などのチェックも担当するようにした。

新店長を全員男性にしたのは、W社の会長・N氏のこれまでの経営ノウハウや現場で得た直感から。もともと熟年の女性客が多いことから、中堅クラスの男性スタイリストを店長に据えることで、より一層ひいきにしてくれるようになったという。

一方、店長よりもキャリアのある女性スタイリストがチーフとして技術的な土台を支えるので、サロン内の結束が強くなった。

中堅クラスの世代を店長に据えたことの、もうひとつのメリットとして、世代間のコミュニケーションが向上した点が挙げられる。新店長が若手スタッフと年齢が比較的近いので、良き相談相手になることができ、上層部まで情報が伝わり、社内の風通しが良くなったという。

一方、店長からチーフ、マネージャーになったスタッフは、新しい仕事や役目に積極的に取り組むようになった。これまでは自分のサロンしか見ていなかったが、全店舗を実際に見て回ることで、店舗ごとの比較ができ、有効なアドバイスを下せるようになったという。チーフ、マネージャーの役割が機能することで、会社全体のレベルが底上げされたのだ。

大胆な人事異動が実施されたのは、ちょうど消費税が8%に増税した4月。しかし、全社ベースでは増税のあおりを受けず、客数と売上がアップした模様。

定期的な人事異動で肩書きや立場を変えて新陳代謝を図ることで、スタッフ全員が安心して仕事に打ち込めるようになった。N氏による「会社設立以来の大英断」は、予想以上のメリットと業績をもたらしたのだ。


次回のとなりのヘアサロンは「思い出してもらえるメニューでリピーターを増やす」をお届けします。

【記事提供元】
サロンオーナー 2014年8月号(理美容教育出版)