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よい人材が集まる『企業文化』を根付かせるには

20.06.23
ビジネス【人的資源】
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『企業文化』とは従業員の間で共通認識としてある会社の理念や信念、前提条件や価値観、ルールのことです。
経営学用語では『組織文化』などとも呼ばれています。 
企業文化は基本的に、自社の創業者や経営者から発信される理念や価値観に賛同した従業員が協力しあい、各々の仕事を全うしていくなかでつくりあげられるものです。 
当然、よい企業文化が根付いている会社には、よい人材が集まります。 
今回は、各企業の具体的な実例を紐解きながら、よい企業文化をつくるための方法をご説明します。
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社員の認識する理念や価値観が企業文化

社員同士が認識している自社に関する信念や価値観などを『企業文化』といい、従業員はこの企業文化をベースとして、さまざまな業務に携わっていきます。
企業文化は従業員の業務内容にも強く影響し、仕事の結果に色濃く反映されます。
また、従業員が認識している信念や価値観であるがゆえに、会社の経営や企業イメージなどにも現れていきます。

『企業文化』は『企業風土』とも混同されますが、実際は異なるものです。
『企業風土』は、会社の信念や価値観を現すという意味では『企業文化』と同じですが、従業員の間で自然発生的に生まれたものを指します。
そして、外部の影響を受けずに、次の世代へ継承されていくものでもあります。
逆に『企業文化』は、会社の経営理念や行動をもとに、企業が生み出すものであり、外部の影響を受けて変化していくものです。

また、同じような言葉に『社風』がありますが、『社風』は自社の従業員が感じている会社の雰囲気や特徴のことであり、より感覚的なものといえます。

どれも可視化するのは難しいですが、実際に存在していることは確かです。
また、『企業風土』や『社風』とは異なり、『企業文化』は事業者自らがつくりあげていくことが可能です。

たとえば、アメーバブログ(アメブロ)やAbemaTVなどでお馴染みの株式会社サイバーエージェントには『21世紀を代表する会社を創る』というビジョンをベースとした、失敗を恐れずにチャレンジするという企業文化を育てています。
新規事業にも意欲的で、社内でスタートアップを次々と立ち上げてきたという実績もあります。
また、社員に何でも経験させるという人事方針も特徴の一つです。
これまでに、新卒社員に子会社の社長を任せるなど、思い切った人事を展開して話題にもなりました。

外食大手の株式会社鳥貴族は、『焼鳥で世の中を明るくする』という理念を大々的に掲げ、現在までに全国に600以上の店舗を出店し、大成功しています。
この理念は全社員の共通認識としてあり、各店舗にも明文化して配布されています。
ほかにも、『利他の精神』や『自己責任』『プラス発想』などの共通価値観を制定し、さらには社員の研修やマネジメントに力を入れるなど、企業文化の醸造に励んでいます。

これらの企業に共通しているのは、明確な将来のビジョンや目標、はっきりとした意志を持っているということです。
そして、全社員が自社の一員だということを意識し、企業の掲げる目標の方向を向いて努力しているといえるでしょう。


経営者のビジョンを明確にする

実例からもわかる通り、企業文化の熟成には、会社の明確な目標や信念があったうえで、社員が同じ方角を向いて足並みをそろえていることが必須となります。

まずは、経営者がはっきりとした会社のビジョンを持つことが何よりも大切です。
仕事を選ばずにこなしていき、どんどん成長していくのか、それとも堅実な仕事だけに絞り、安定した経営を望むのか。
上層部が意思決定をするトップダウンなのか、それとも現場の意見を積極的に取り入れて意思決定を行うボトムアップなのか。
和気あいあいとした社員同士のチームワークを重視するのか、それとも社員同士を競わせ、ライバルとして切磋琢磨させるのか。

経営者は、企業文化をつくるための理念決定の段階で、さまざまな選択を迫られます。
そして、経営者が決めたこれらの方向性が、やがて社員間で共有され、企業文化となっていくのです。

社内のアンケートやヒアリングなどで、自社に根付いている企業文化を確認してみましょう。
経営者が思い描いているビジョンと相違なければ、企業文化を変えていく必要はありません。
しかし、もし思い描いているビジョンとの乖離があれば、経営者側の思い描くビジョンを言葉にし、社員への共有を図ることが必要です。
社内報やホームページで、明文化してもよいでしょう。

さらに、社員とのコミュニケーションを取り、経営者自身の思いを伝えることも大切です。
より深く理解してもらうために、研修やミーティングなどを行ってもよいかもしれません。

もちろん、よい企業文化の醸成は一朝一夕ではいきません。
それでも会社を長く運営していくためには、必ず手をつけなければいけない課題でもあるのです。
まずは、自社に根付いている企業文化を確認・認識し、そこからどう改良させていくかを考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年6月現在の法令・情報等に基づいています。