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建設業に新人教育は必要? どんな研修をすればいい?

20.06.02
業種別【建設業】
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人材不足が叫ばれる建設業界。
新入社員にはできるだけ早く戦力になってもらい、かつ長く自社で働いてほしいものです。
しかし、厚生労働省が調査した『新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)』によると、建設業における就職後3年以内の離職率は高卒就職者で45.3%、大卒就職者で27.8%と高い水準でした。 
離職率を下げるためには、入社後の新人教育でのフォローが欠かせません。 
そこで今回は、新人教育はなぜ必要なのか、どのような内容の研修をすればよいのかについて解説します。
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新人研修の必要性とメリット

まず、新人研修がなぜ必要なのか、どのようなメリットがあるのかについては、次のような点があげられます。

●新入社員の安全のため
建設業は、職種によっては過酷な現場での作業が伴うので、安全性が重視されます。
また、基本的に屋外の作業となるため、真夏には熱中症の危険が伴いますし、真冬や天候条件が悪い環境下などでは、健康や安全管理に特に注意が必要になります。
さらに長時間労働でもあるため、肉体的な負担が大きく、それが離職につながることは否定できません。
そこで新人のうちから安全管理や現場のルールなどを学んでおくことにより、安全意識や作業中の危険予知スキルを高めることができます。

●採用でアピールできる
建設業界をめざす人のなかには、スキル向上やキャリアアップを希望する向上心の高い人も多くいます。
そこで、会社として研修に力を入れていることを示せば、向上心の高い求職者にアピールすることができます。

●現場の負担を軽くする
人手の足りない会社では、新入社員にはできるだけ早く戦力になってもらいたいもの。
しかし、現場でゼロから指導していくとなると指導員が必要となりますし、スキルがある人を指導員にせざるを得ないため、労働力が減ってしまいます。
新入社員が現場に出る前に基本的なことを研修で伝えておけば、現場の負担を軽くすることができます。


新人研修で行うべき基本的な研修内容とは?

新人研修ではどのようなカリキュラムを組めばよいのかについては、次のような点があげられます。

●ビジネスマナー
まずは、簡単なビジネスマナー研修を入れておきたいところです。
建設現場は、他社の職人や業者とのコミュニケーションが大切な仕事で、職種によっては他社の担当者と会議や打ち合わせに入ることもあります。
お辞儀の角度や名刺の受け渡し方、身だしなみなど、基本的なビジネスマナーを伝えておきましょう。

●安全衛生管理や現場のルール、コンプライアンス
研修は基本的に座学ですから、研修を受けたからといってすぐに現場で働けるようになるわけではありません。
しかし、現場で求められる基礎知識を習得しておくことで、実際に現場に出たときに指導する側の負担はかなり軽くなります。
また、新入社員自身の安全や危機管理も重要です。
そこで、新人研修では、高いところで作業をするときの注意点やクレーンなどの機械を扱うときの注意点、現場での作業中にどのような病気やケガのリスクがあるかなどを伝え、安全衛生対策について知識を持ってもらうことも大切です。

●会社全体の理念や方向性
将来的に会社を背負う人材に成長してもらうためにも、自社がどのような理念を持っているのか、建設業界でどのような立ち位置におり、これから業界をどう変えていきたいのかといった理念や社風についても、新人研修時に伝えておきたいものです。
業界や会社のことを熟知し、自分の勤めている会社に誇りを持って仕事をするのと、単に作業のように仕事にあたるのとでは、本人のモチベーションも変わってきます。

●社員が自身のキャリアを形成するための取り組み
特に年齢が若い新入社員ほど、これから頑張ってキャリアを形成していきたいという意欲が高いもの。
会社としては、社員のキャリアアップを支援しながら育成できるとベストです。
そこで、新人研修のうちにキャリアアッププランの作り方などを伝え、実際にプランを作るワークを取り入れたりするとよいでしょう。

新人研修で何を指導するかは会社によって異なりますが、カリキュラムで自社独自の工夫をすれば、求職者に会社の個性をアピールすることもできます。
自社の新人にどのように育ってほしいのか、現場ではどのようなスキルを求めているのか、それについてしっかりと整理し、新人研修に落とし込んでいきましょう。


※本記事の記載内容は、2020年6月現在の法令・情報等に基づいています。