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固定資産税から印紙税まで。経費として計上できる『租税公課』とは

20.05.12
ビジネス【税務・会計】
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法人は事業を展開していくうえでさまざまな税金を支払いますが、一般的に経費として計上できる税金や公的な課金は『租税公課』という勘定科目で処理をします。
『租税公課』とは、いわゆる国税や地方税などの税金である『租税』と、国や公共団体などに対する交付金や会費などの公的な課金である『公課』を合わせたもので、税務担当者は覚えておかなければならない区分です。
経費に計上できるということは、利益を減らすことができるため、納める税金を減らすことができます。
ではいったい、どんな税金が『租税公課』として経費に計上できるのでしょうか。
経費にならない税金や公課を『租税公課』に含めないために、経費として計上できる税金の種類を把握しておきましょう。
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経費にできる税金とできない税金

『租税公課』は、原則として経費になる税金や公課を取り扱う勘定科目で、さまざまな税金がこの『租税公課』に該当します。
基本的に支払う税金のうち、経費として計上できるのは、印紙税や事業税などです。

逆に、所得税や外国所得税(外国法人税)は、税額控除とし法人税から控除されるため経費には計上できません。
また、法人税、都道府県民税、市町村民税なども、法人の所得から支払われる税金のため、『租税公課』には含まれません。
さらに、各種加算税や各種加算金、延滞税や延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金は除く)並びに過料などはペナルティの意味合いが強く、経費として計上するものの損金として認められることはありません。

『租税公課』には印紙税や事業税のほか、登録免許税、固定資産税・都市計画税、償却資産税、事業所税、不動産取得税、自動車税・軽自動車税、消費税、会費、公共サービスへの手数料などが該当します。
それでは、一つずつ見ていきましょう。

印紙税は公的な文章を作成するときに必要になる印紙代のことで、登録免許税は不動産、会社、人の資格などについての登記や登録、特許、免許などについて課される税金です。

固定資産税・都市計画税は、法人の所有する不動産や、事業に使う設備などにかかってくる税金です。
また、償却資産税も固定資産税の一種で、機械や備品など償却資産に課せられます。

事業税は事業にかかる税金です。
事業所税は特定の市区町村だけに課せられる税金で、都市環境の整備や改善などの費用に充てるために、事業所に課されます。

不動産取得税は不動産を取得したときに発生する税金で、自動車税・軽自動車税は法人の所有している社用車などの自動車に課されます。
このほか、自動車取得税や重量税なども含まれます。

消費税に関しては、税込経理方式の場合は、原則として納税申告書を提出した年度の経費に計上することができます。
ただし、申告期限未到来の納税申告書に記載すべき消費税等の額を未払金または未収入金に計上した場合には、その計上した年の経費に計上することができます。
また、税抜経理方式で経理処理している場合には、『租税公課』には計上しません。

印鑑証明書や住民票の発行手数料などの公共サービスの手数料や、商工会や商工会議所への会費なども『租税公課』に含まれます。


損金にできないが『租税公課』で処理するもの

法人が会社を運営していくうえで支払う必要のある税金の多くは、『租税公課』として処理できます。
ただし、あくまで事業に必要なものだけなので、たとえば個人事業主がプライベートでも使用している自家用車を事業でも使っている場合などは、月の走行距離などから、プライベートと事業で使用している割合を計算し、事業にかかわるぶんだけを『租税公課』にしなければいけません。
自動車税のすべてを『租税公課』にできるわけではないことを覚えておいてください。

また、罰金や延滞税、加算税などは、会計上は『租税公課』として処理し、そのうえで、法人税の計算の際に、確定申告書で加算することになります。

損金としては認められないのに『租税公課』として処理するのは違和感を覚えますが、申告の際に、加算の処理をすることで損金からは除かれますので、結果として、会計上は経費として計上されていても、損金に算入されることはありません。
ただし、うっかり忘れないためにも、帳簿にはその旨を記しておく必要があります。

ほかにも、損金にならない税金を『租税公課』の勘定科目で処理できるものはあります。

しっかり『租税公課』を把握し、該当する税金や公的な負担金を経費として算入することで、余計な税金を払わないようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2020年5月現在の法令・情報等に基づいています。