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音や色彩、位置までも出願できる! 登録商標の今

19.05.28
ビジネス【企業法務】
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「どこの商品なのか」「誰が提供しているサービスなのか」などを明確に表すためのマークである商標。
商品やサービスのアイデンティティーともいえますが、特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)によって『商標法』が改正され、平成27年4月1日から、それまで商標として登録できなかったようなものも商標登録できるようになっています。
しかし、意外と知られていないのが現状です。
そこで今回は、同改正により、保護対象として加わった商標について、紹介していきます。
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動きや音なども『商標』の保護対象に 

商標には、文字商標、図形商標、立体商標のほか、これらを組み合わせた結合商標などがありますが、同改正によって『新しいタイプの商標』として、下記の五つが保護対象に加わっています。

【動き商標】 
文字や図形などが時間の経過に伴って変化する商標。
たとえば、テレビやコンピューター画面に映し出され、変化する文字や図形などが該当します。 

【ホログラム商標】 
文字や図形などがホログラフィー、あるいはその他の方法により変化する商標。
たとえば、見る角度によって変化して見える文字や図形などが該当します。 

【色彩のみからなる商標】 
単色または複数の色彩の組み合わせからなる商標(従来認められていた、図形などと色彩が結合した商標ではない商標)。
たとえば、商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩などが該当します。

【音商標】 
音楽、音声、自然音などからなる商標であり、聴覚で認識される商標。
たとえば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音などが該当します。 

【位置商標】 
商品の決まった位置にマークを施すなど、文字や図形などの標章を商品などに付す位置が特定される商標。


商標を登録するための手続きとは? 

商標登録の手続きは、大きく以下の四つのステップに分けることができます。

(1)すでに他人によって商標登録されていないかを調査・確認する
他人や他企業がすでに同一または類似の商標を登録している場合は、その商標について出願したとしても却下されてしまう可能性が高く、それだけでなく、無断で使用すれば、商標権侵害となる可能性もあります。
商標は、特許庁のホームページから調べることができるので、必ず事前に確認しましょう。
また、商標の出願は商品・サービスの『区分』を指定して行う必要があります。
区分はその商品やサービスがどのようなジャンルのものかを表すものになります。
同一区分で同一ないし類似の商標は登録できない可能性が高く、また、登録できたとしても後々、無効となってしまう可能性もあります。
登録したい区分に、出願を考えているのと同一または類似の商標が登録されてないかを注意する必要があります。 

(2)登録したいマーク等が商標としての識別性を有しているか検討する
商標を構成する文字や図形などが他人の商品やサービスと区別できると言えない場合には、識別力を有しないものとして商標登録が認められません。
商標登録の審査基準は公表されていますので、商標調査の結果と審査基準に照らし、登録可能な商標であるか検討する必要があります。
新しいタイプの商標についても、それらに特有の基準が設けられています。 

(3)書類を準備する 
出願に必要な書類は特許庁のホームページからダウンロードできます。
指定された書式に従って、書類を作成します。
記載事項や内容などに不安がある場合には、特許庁に問い合わせをしたり、弁理士などの専門家に相談・依頼するなどして不備がないようにしましょう。 

(4)出願する 
書類に不備がないことが確認できたら、いよいよ出願です。
出願には特許印紙が必要になるので、郵便局または特許庁で購入しておきましょう。
印紙代は出願の際の申請区分数などにより変わります。 
基本的には『3,400円+(8,600円×区分数)=出願料金』になります。 
出願は、郵送もしくは特許庁に直接持っていくことも可能です。
なお、『音商標』については、その音をMP3形式で記録したCD-RまたはDVD-Rを添付する必要があります。

商標は、自社の商品・サービスを印象づけるのに役立つものですので、会社やその商品・サービスのブランド化のための方策として有用です。
特に、同改正によって加わった商標は、人の印象に残る度合いが高いといえそうですが、商標登録が認められるには、これまでの商標とは異なったポイントを押さえる必要もあります。 
商標登録を考える場合は、以上のようなポイントも踏まえて、検討が必要な事項をしっかりと確認しつつ、手続きを進めていきましょう。 


※本記事の記載内容は、2019年5月現在の法令・情報等に基づいています。