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採用担当者は知っておきたい『非大卒生人材』採用のメリット

19.03.12
ビジネス【人的資源】
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多くの業界で人手不足が深刻化するなか、採用市場は売り手市場になり、新卒者を採用することがむずかしくなっています。 
そこで、注目が集まっているのが、中卒・高卒者といった『非大卒生人材』です。 
人材不足が顕著化している中小企業においては、大卒者だけでなくこれらの『非大卒生人材』を採用することが急務であるといわれています。 
今回は、『非大卒生人材』を採用することのメリットや方法などを紹介していきます。
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大卒者と非大卒者の現状とは?

厚生労働省が行った『平成29年賃金構造基本統計調査』によれば、大卒者の初任給は男女平均で20万6,000円、高卒者の初任給は17万9,000円であることがわかりました。
その差は、2万7,000円にもなります。

また、生涯賃金に関しても大きな差が出ることがわかりました。
大卒者男子が23歳から定年の60歳までの38年間勤務した場合の生涯賃金は、1億8,626万円。
高卒者男子が19歳から60歳までの42年間勤務した場合の生涯賃金は、1億4,964万円、大卒者とは3,662万円もの開きがあるのです。
さらに、ここにボーナスや賞与が加わると、4,000万円以上も差が出ることになります。

一方で、文部科学省と厚生労働省の調査によると、高卒の就職率は98.1%。大卒の就職率は98.0%でした。
賃金には差がありますが、企業の採用状況を見てみると、大卒者と同じくらい高卒者への関心が高まっていることが読み取れます。


『非大卒生人材』が持つ魅力とは?

近年では、『非大卒生人材』に的を絞ったインターンシップ事業を行う企業も出てきました。
たとえば、16歳から22歳の『非大卒生』で東京以外の地方出身者に絞ったインターンシップを行っている会社などは、これまでに100人ほどの『非大卒生人材』を提携企業に送り出してきました。

『非大卒生人材』を採用することのメリットはさまざまですが、なんといっても若さと成長意欲の高さがあげられます。
高卒で就職をする場合、学校を通じた就職活動は原則として1社しか応募できないようになっています。
高卒者と売り手市場にいる大卒者では、大きく状況が異なるのです。
そのため、「高卒者のほうが野心や向上心があり、貪欲に学ぶ姿勢が見える」と語る採用担当者もいます。

また、『非大卒生人材』は、若さゆえの吸収力もあります。
仕事の覚えは早く、いち早く戦力として中小企業の大きな担い手の一人になることは間違いないでしょう。


『非大卒』に特化した就職サービスも登場

新中卒・高卒者に限っていえば、未成年ということもあり、行政・学校・主要経済団体などによって、採用スケジュールや選考方法について厳しいルールが定められています。
企業と学生との間にハローワークなどの就業支援施設が入るケースが多く、新大卒者であれば、希望する人材に何度も会えるのが当たり前ですが、新中卒・高卒の人材には1度しか会えなかったり、新中卒・高卒の人材には、適性と能力に関すること以外の質問をしてはいけなかったりといった決まりがあります。
その結果、なかなか希望する人材を採用することができないというのが、現状なのです。

十分な就職活動を行っていないせいか、中卒・高卒の離職率は高く、厚生労働省の『新規学卒就職者の離職状況』によると、3年以内の離職率が中卒は6~7割、高卒は約4割、大卒は約3割となっています。

このような離職を防ぐには、自社にマッチした非大卒生人材を採用することが最も重要になります。
幸い、最近は『非大卒生人材』向けの就活サービスも増えてきました。

大学を卒業していない18歳から22歳の非大卒の若者を『第0新卒』と位置づけ、就活サービスを展開する『バズキャリア』や、高卒・新卒向けの就職求人サイト『ハリケンナビ』など、『非大卒生人材』をターゲットにした就職サービスが人気を集めています。

『非大卒生人材』を求める企業はこれらのサービスを利用し、『非大卒生人材』にじっくりとリーチすることが可能になりました。
併せて、雰囲気のよい職場づくりや、しっかりとした教育制度を確立し、彼らのポテンシャルを引き出し、離職を防いでいかなければなりません。


これまでの大卒一辺倒の採用ではなく、中卒・高卒者を筆頭とした『非大卒生人材』に目を向ける時期がきているのかもしれません。
人事担当者とも相談のうえ、採用方針を見直してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年3月現在の法令・情報等に基づいています。