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医療機関のWEBサイトに対する広告規制のポイント

18.08.07
ビジネス【企業法務】
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医療法の改正により、今年の6月から医療機関のWEBサイトに対する規制が始まりました。

これまでは法律の規制が及んでいなかったWEBサイトですが、具体的にはどのような規制が行われるようになったのでしょうか。
一定の条件を満たせば、記載できる事項に制限はない

改正前の医療法の広告規制においては、医療機関の広告には、医療法で認められた限定的な内容しか記載してはならないとされていました(広告可能事項の限定)。
今回の改正により、WEBサイトも広告規制の対象になったのですが、従前の規制をそのまま当てはめると、WEBサイトに記載できる事項が非常に限られてしまうことになります。例えば、改正前の医療法では、治療の効果は広告できないとされていました。
しかし、それでは医療機関のWEBサイトから患者が十分な情報を得ることが難しくなってしまいます。そこで改正医療法では、

(1) 医療機関の問い合わせ先が記載されていること
(2) 自由診療について、治療の内容、費用、リスク、副作用が十分に記載されていること

を条件に、WEBサイトにおいては広告可能事項の限定が解除されることになりました。
基本的には何でもWEBサイトに記載できることになります。


広告が禁止される事項は?

ただし、何の縛りもなく自由にWEBサイトに記載できるわけではなく、一定の事項は広告が禁止されています。
例えば、虚偽の広告は改正前の医療法から禁止されてきました。
今回の改正では、この広告禁止事項についても新たな規制ができました。
その一つが、体験談の禁止です。
治療の内容や効果に関して患者が自分の主観に基づいて作成した体験談は、実際の治療の良し悪しと必ずしも一致しているとは限らず、医療機関を選択するにあたって適切な情報とは言えないため、今回の改正で、一律に禁止されました。
一方で、特に美容医療で多く見られる『ビフォーアフター写真』については、全面禁止とはなりませんでした。
治療内容や効果の説明をするにあたって、患者に分かりやすい情報を提供できる場合があるからです。
ただし、もちろん写真を加工修正してはいけませんし、ビフォーアフター写真を用いる場合には、その治療の内容、費用、リスク、副作用について詳細な説明を記載しなければならないとされています。

今回の改正により、医療機関のWEBサイトが、患者に幅広い情報を与えるとともに、WEBサイトから不適切な情報が排除されることが期待されます。