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会社が倒産したときの税金はいったいどうなる?

18.11.29
ビジネス【税務・会計】
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会社が倒産したとき、支払いが滞っていた滞納税金や法人税などはどうなるのでしょうか? 
法人が消滅しても払わなければいけないのか? 
それとも免除されるのか? 
今回は、会社の倒産後の税務処理について詳しくご紹介します。
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『倒産』は法的に定義されていない?  

東京商工リサーチによれば、2017年度の全国企業倒産件数(負債総額が1,000万円以上となる企業)は8,405件、負債総額は3兆1,676億3,700万円になっていることがわかりました。
2016年度と比べて倒産件数は0.48%減少(41件減少)していますが、負債総額は57.89%増加しています。 
都道府県別で見ると、東京都、大阪府、兵庫県は8年ぶりに倒産件数が増加に転じており、状況がよくなっているわけではありません。 

実は『倒産』とは法的に定義されている用語ではなく、企業が債務支払不能の状態になったり、経営を続けることが困難になったりした状態のことを『倒産』と呼んでいるにすぎません。
東京商工リサーチでは、負債総額が1,000万円以上になった企業を倒産と定義しており、上記の集計も、この基準をもとにしたものです。 

通常、経営の継続が不可能な『倒産』の状態に陥った場合は、地方裁判所に対して破産手続開始の申立てを行います。 
裁判所の審査を経て破産手続開始決定が下され、その法人は解散し破産手続の終了の日をもって消滅します。 


法人破産すると 
滞納している税金はどうなる? 

破産手続による法人破産の場合の税金の動きは、どのようになっているのでしょうか。 
企業は、法人税や事業税を筆頭に、消費税や法人市民税、源泉所得税など、多様な税金を納めており、会社を運営していくうえでこれらの支払いは切り離せません。
いくら節税しても、一定額は必ず納めなければいけませんし、場合によっては、これらの税金の負担が大きいために事業の継続が困難となる場合もあります。 

では、自社が法人破産してしまった場合、これらの税金はどうなるのでしょうか。 
個人が自己破産をした場合、裁判所から免責許可の決定が下りると、その個人が抱えていた債務の支払いは免除されます。
しかし税金や国民健康保険料に関しては『非免責債権』に指定されているため、滞納していた税金や保険料の支払いが免除されることはありません。 
法人が破産をした場合には、破産手続きの終了の日をもって法人そのものが消滅することになり、債務の主体が消滅する以上、債権も消滅せざるを得ないことから、法人に対する滞納していた税金や、保険料の支払いの請求債権も消滅することとなります。 

ただし、法人破産の前段階では、滞納中の税金はほかの債権と比べて優先的に回収されるため、まったく支払わなくてよいという状況にはなりにくいのが現状です。 
さらに、経営者個人が得ている報酬に関しては、法人ではなく個人の債務となり、たとえ法人が破産したとしても、税金を請求されることになります。 


個人が法人の税金を負う場合も 

なお、あくまで例外ですが、法人の滞納していた税金を個人が支払わなければいけないケースがいくつかあります。 

その一つが、納税の猶予や分納を依頼する納税保証書を税務署に提出している場合です。
『保証書』は、税金の猶予や分納を認める代わりに、納税を保証するものでもあります。
法人税などの猶予や分納のために納税保証書を提出した個人は、たとえ法人破産後であっても、滞納した税金を納める義務があります。 

もう一つ、合名会社や合資会社における『無限責任社員になっている場合には、法人が破産しても滞納税金の請求がされます。 
『無限責任社員』とは、会社に対して無限に責任を負う社員のことをいいます。会社が倒産し、さらに債務を会社の財産だけでは弁済できなかった場合、無限責任社員は税金を含めた債務を自身の資産から支払わなければなりません。 
本来の経営者ではない『無限責任社員』が、二次的に納税義務を負うことになるため、『第二次納税義務』と呼ばれます。 

会社が倒産したとしても、手続きに則って破産手続きを行えば、滞納税金は免除されますし、そのことで経営者が自己破産する必要もありません。
法人破産した後に再起を図り、見事復活を遂げた人も少なからずいます。
業績の悪化で経営困難に陥った場合は、さまざまな道を模索してみることをおすすめします。