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クリニック、ホスピタルは、看護師の向上心をどう支えるか

13.10.06
業種別【医業】
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医師に専門医制度があるように、 
看護師や薬剤師にもまた 
さまざまな専門知識と 
臨床能力の認定制度があります。 

看護師には、 
“熟練した看護技術と知識を用いて 
水準の高い看護実践ができる” 
21分野の「認定看護師」があります。
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「救急看護」「緩和ケア」 「がん化学療法看護」
「集中ケア」など、 主に病院の中で機能を発揮するもの、
「皮膚・排泄ケア」「糖尿病看護」 「慢性呼吸器疾患看護」など、
クリニックでも活躍の場が ありそうな分野までさまざまです。

さらに専門性が高く、 その分野について
他の看護師の教育を 担うのが「専門看護師」。

こちらは「がん看護」「精神看護」「家族支援」「小児看護」「老人看護」など
11分野があります。

詳しいことを知りたい方は、
日本看護協会のホームページ「資格認定制度」をご覧ください。

薬剤師も同様で、「がん」「感染制御」「精神科」「妊婦・授乳婦」
「HIV感染症」など5つの領域で、それぞれ「認定薬剤師」「専門薬剤師」が
設けられています。

これらの資格の多くは、その分野に特化した実務経験を積まねばなりません。
専門・認定取得者のほとんどが、病院看護師、病院薬剤師たちです。

もちろん、クリニックでもある分野に特化して診療しているのであれば、
資格取得は可能です。
たとえば在宅医療専門なら「訪問看護認定看護師」、
透析専門のクリニックなら「透析看護認定看護師」、
乳がん専門のクリニックであれば「乳がん看護認定看護師」など。

もちろん、経験する症例数が大きく異なる大病院の病棟勤務の看護師と肩を並べるのは、
なかなかハードルの高いことではありますが…。

資格が取得できたとしても、クリニックのスタッフにとって厳しいのは、
その後の資格の更新です。

専門資格を更新するには、各地で行われる学会や研究会への参加や発表、
雑誌への論文投稿などが求められます。
クリニック勤務の看護師が、数少ないスタッフの中で勤務を調整して
遠方の学会に参加することは現実的にはかなり困難ですし、
旅費交通費という経済的な負担も出てきます。

病院(特に大学病院)の看護師は「研究費」として出張扱いになることが多いのに比べ、
とてもハードルは高いのです。
向上心の高いスタッフをどのように支援するかも、クリニックの人事待遇と言えます。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー代表取締役。 
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