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商品やサービスに名前をつける“ネーミング”の秘訣とは? その4

18.04.10
ビジネス【マーケティング】
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全4回にわたって解説している“ネーミングの秘訣”。 
これまで、ネーミングを考えるには『What to say(何を言うか)を考え、そこからHow to say(どう言うか)のキーワード検索を行う』とお話してきました。 

最終回となる今回は、“キーワードをネーミングに仕上げる方法”についてご説明します。
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ネーミングを仕上げる 
4つの基本パターン 

キーワードをネーミングに仕上げるには、以下の4つの基本パターンに基づいて行います。 

(1)素ネーミング(キーワードがそのままネーミングになるもの) 
(2)足し算ネーミング(キーワードA + キーワードB = ネーミングとなるもの) 
(3)引き算ネーミング(キーワード - キーワードの一部 = ネーミングとなるもの) 
(4)掛け算ネーミング(キーワードA × キーワードB = ネーミングとなるもの) 

これらの基本パターンについて、『ネーミング全史』(岩永嘉弘著)という本を参考にしながら、考えていきましょう。 


(1)素ネーミング 

このタイプは、キーワードがそのままネーミングとなります。 
たとえば、『MIRAI』(燃料電池自動車)、『HAKU』(化粧品)、『STORY』(雑誌)、『UR・OS(ウル・オス)』(男性化粧品/潤すから)などが挙げられるでしょう。 

What to say(何を言うか)がハッキリしていて、さらにキーワードが魅力的であれば、それをそのまま“素”でネーミングにすることができるのです。 


(2)足し算ネーミング 

2つのキーワードを足すことによって、ネーミングが完成します。 
キーワードとなる“カロリー”と“メイト(仲間)”を足し算した『カロリーメイト』がこの部類です。 

また、コンピュータ用語の“ソフトウエア”と、多くの資産を保有するといった意味合いでの“バンク”を足した『ソフトバンク』もこのパターンといえるでしょう。 
このほかにも、『おいしい牛乳』や『トマト銀行』などがこのパターンと考えられます。 


(3)引き算ネーミング 

このパターンは略称に多く、キーワードから一部分を除くことでネーミングが完成します。
具体的には、以下の例が挙げられるでしょう。 


・ファミマ = ファミリーマート -(『リー』+『ート』)

・スタバ = スターバックス -(『-』+『ックス』)

・ケンタ = ケンタッキーフライドチキン -『ッキーフライドチキン』

おなじみのものばかりですね。 

さらに『ガンバ大阪』は“ガンバレ大阪-『レ』”と考えることができます。
ガンバには、イタリア語で“脚”の意味もあるようですが、多くの人は“ガンバレ大阪”をイメージしているのではないでしょうか。

また、僕自身がネーミングに関わったものとしては、ケーブルテレビの『J:COM』があります。 
オーストラリアから日本に進出したJUPITER TELECOMが元の会社名だったのですが、“JUPITER TELECOM-(『UPITER』+『TELE』)”でJ:COMと名付けました。  

(4)掛け算ネーミング 

最後は、複数のキーワードを組み合わせてネーミングを完成させるタイプです。 
たとえば、以下の例が挙げられます。 

・警備会社の『SECOM(セコム)』 ⇒ SECURITY × COMMUNICATION 
・『ウメッシュ』 ⇒ 梅酒 × フレッシュ 
・ガムの『キシリッシュ』 ⇒ キシリトール × フレッシュ 
・インターネット関連の『SONET』 ⇒ SONY × NETWORK 

What to say(何を言うか)に2つの要素があり、キーワードを複数考えられる場合は、それらを掛け合わせて響きの良いネーミングを検討してみてはいかがでしょうか? 

次回からは、昨年12月に刊行した共著書『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』を参考にしながら、クチコミマーケティングについて考えていきます。 


次回: 新刊『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』を解説! その1 



佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 

●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論 / メディア論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK(アサツー ディ・ケイ)→(青学MBA)→博報堂DY→2011年4月より現職。著書に、『「これからの広告」の教科書』、『教えて!カンヌ国際広告祭』、『自分を広告する技術』、『人前であがらない37の話し方』等がある。