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試用期間中の給与は減額できますか? 期間は?

17.11.10
ビジネス【労働法】
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お金をかけてどうにか採用できたけれど、期待したほど仕事はできない。 
もう少し給与を安くすればよかった。 
もしくは今後、試用期間中は給与を減らしたい。 

今回は、試用期間中に給与は減額できるのか、試用期間の一般的な期間設定などをお伝えします。
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【結論】 
試用期間中は給与の減額が可能です。 

都道府県別に決められている最低賃金を下回らない範囲であれば、使用者と労働者との合意のうえで、試用期間中の賃金を低く設定できます。 
ただし、就業規則や労働契約書にその旨を明記する必要があります。(最低賃金法) 

試用期間というのは、一般的に入社後一定期間を“試用”ないし“見習い”期間とし、この間に労働者の人物・能力を評価して本採用をするかしないか決定するものとして設けていることが多いです。
1年以上の期間設定は、裁判で不当と判断された例があります。
一般的には、3~6か月が多いです。 


試用期間中の従業員の給料はどこまで減額できるのか? 

基本的に、従業員に支払う給与の金額は、会社が自由に決められます。
ただし、最低賃金以上の金額を支払った場合に限ります。 

試用期間中に、最低賃金よりも低い金額にする場合、都道府県労働局長の許可があれば、最低賃金より最大で20%まで減額することができます。(最賃則5条)(最賃法7条2号) 
ただし、厚労省の中央最低賃金審議会(目安制度のあり方に関する全員協議会)で示された統計資料においては、試用期間中の減額特例の許可件数に関して、ゼロの年も少なくありませんでした。 

最低賃金とは? 

最低賃金は2種類あります。 
各都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に定められた「特定最低賃金」です。 
これらの金額は厚生労働省のホームページで確認することができます。 

「地域別最低賃金」とは、各都道府県で働く全ての労働者とその会社(使用者)に対して適用される最低賃金です。 
47件の各都道府県ごとに最低賃金が定められています。 
産業や職種による制限はなく、正社員・契約社員・派遣社員・臨時・嘱託・パート・アルバイトなど、雇用形態や呼称に関係なく、働く全ての労働者と会社(使用者)に適用されます。 

「特定最低賃金」は、特定の産業について設定されている最低賃金です。 
基幹的労働者を対象として、「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認められた産業について、設定されます。 
全国233件の最低賃金が定められています。(※平成29年4月1日現在) 


今回は試用期間中という条件なので産業別の「特定最低賃金」は適用されません。 
そのため、「地域別最低賃金」を基準に考えることとなります。 

このように試用期間中の給与の減額は可能ですが、労働者との合意による賃金の設定・期間の設定・就業規則や労働契約書への記載といった注意点があります。 

試用期間中の給与の減額は、現実的には難しいケースが多いと思います。
今日のような人手不足の時代、期待した能力以上に給与を支払わざるを得ないこともあります。 
今後は減額できる給与制度の導入や、昇給・賞与の算定方法の見直しを検討することも必要です。 

詳しくは専門家にご相談ください。 



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