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需要が増加中? 歯科クリニックが『オンライン診療』を導入するには

26.09.01
業種別【歯科医業】
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昨今、歯科業界において、離れた場所にいる患者を診察する「オンライン診療」の活用が広がりつつあります。
オンライン診療とは、患者が自宅などにいながら、パソコンやスマートフォンを利用して、歯科医師の診療を受けられる仕組みです。
コロナ禍をきっかけに、一定の条件のもとで初診からオンライン診療が可能になるなど、制度の整備が進み、各医療機関で導入され始めました。
しかし、歯科医院ではまだ一般的とはいえません。
今後さらなる需要の増加が見込まれる歯科のオンライン診療について解説します。

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オンライン診療の対応医療機関は増加傾向

少子高齢化や労働人口の減少が進むなか、日本の医療体制は大きな転換期を迎えています。
医療機関の多くが都市部に集中する傾向にある一方で、地方では医療資源が不足しており、高齢者が専門的な治療を受けるために長距離を通院することがますます困難になっています。
高齢者にとって、通院にかかる移動時間や身体的な負担は、治療を継続するうえでの大きな障壁となります。

こうした地域間の医療格差や、通院が困難であるといった課題に対応するために、オンライン診療に注目が集まっています。
厚生労働省の調査によると、「電話や情報通信機器を用いた診療を実施できる」として登録した医療機関数は、2020年4月時点で10,812件でしたが、2023年7月時点では18,288件まで増加しました。
歯科においてはまだ広く普及していないオンライン診療ですが、患者の負担軽減を目的に、導入するクリニックも増えてきています。

特に、矯正や外科処置後の経過確認、検査結果の説明、摂食・嚥下障害のトレーニングなどは、患者の状態に応じてオンラインで対応できる場合があるため、定期的な通院が必要な患者の負担を大幅に軽減できます。
患者は待合室で長時間待つ必要もなくなり、仕事や家事の合間を縫って自宅や職場から診察を受けられるため、時間や場所の制約を受けにくくなり、診療を継続しやすくなります。

一方、歯科医院側にとっても、待合室の混雑を緩和できるという利点があります。
待合室の密集を避けることは院内感染のリスクを抑えることにもつながり、スタッフの業務負担を分散させる効果も期待できます。
加えて、これまで地理的な理由で通院が困難だった遠方の患者も診療の対象とすることができます。
つまり、対応できる地域の範囲が広がることで、新たな患者の獲得につながる可能性があります。

導入に必要な届出とシステム環境の整備

実際にオンライン診療を導入する際は、施設基準を満たしていることを示すため、各種届出を行う必要があります。
具体的には、医療機関が所在する都道府県を管轄している「地方厚生局」または「地方厚生支局」に対して、「基本診療料の施設基準等に係る届出書」および「情報通信機器を用いた診療に係る届出書添付書類」を提出します。

並行して、院内のシステム環境を整えていきます。
安定したインターネット回線はもちろん、オンラインでのやり取りに必要なパソコンやタブレット端末、Webカメラ、マイクなどの機器を準備します。
また、必要なセキュリティ対策が講じられたオンライン診療サービスを選定し、医院の業務フローに合わせて導入する必要があります。

オンライン診療の注意点と対応策

患者にも医院にも便利なオンライン診療ですが、実際の運用にあたっては留意すべき点もあります。
その一つが、対面での診療に比べて得られる情報が限られることです。

画面越しでは患者の細かな表情の変化や口腔内の状態、触診による感覚などを直接確認することができません。
したがって、問診を通常よりも丁寧に行い、患者の言葉から必要な情報を引き出す工夫が必要です。
少しでも不安な点があれば、速やかに対面診療に切り替えるなど、あらかじめ切り替える基準や手順を定めておきましょう。

通信回線の不良や機器のトラブルが発生する可能性も考慮する必要があります。
万一トラブルが起きた際に備えて、すぐに電話で患者へ連絡し、接続の復旧や予約の変更を案内するなど、代替策をマニュアル化しておくことが大切です。

また、すべての患者がIT機器の操作に慣れているわけではありません。
場合によっては、患者自身のスマートフォンで口腔内を撮影し、その写真を送信してもらうケースもあります。
特に高齢者が安心して利用できるよう、接続手順をわかりやすく図解したパンフレットを事前に渡しておいたり、スタッフが電話で操作をサポートする体制を整えたりするなど、患者に寄り添ったフォローが必要です。

遠隔地の患者と歯科医院をつなぐオンライン診療は、これからの歯科医療において重要な役割を担う仕組みといえます。
オンライン診療で対応できる範囲や必要な環境を確認し、自院の状況に合わせて導入を検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2026年9月現在の法令・情報等に基づいています。