税理士法人ベストフレンド

外食業分野の『特定技能外国人』受け入れ一時停止でどうなる?

26.06.30
業種別【飲食業】
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2026年4月13日から、外国人労働者向けの在留資格である「特定技能1号」のうち、「外食業分野」における新規の受け入れが一時停止されました。
2019年に特定技能制度が創設されて以来、慢性的な人手不足に悩む飲食店にとって、この制度は外国人労働者を確保できる手段として活用されてきました。
しかし、その受け入れ人数が設定されていた上限の5万人に達する見込みとなったため、2026年4月からストップがかかりました。
一時停止は、今後の店舗運営や人材の確保にどのような影響を与えるのか、深掘りしていきます。

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外食業分野における「特定技能1号」とは?

「特定技能1号」という在留資格は、日本国内で深刻化する人材不足を解消し、特定の産業分野において即戦力として活躍できる外国人を受け入れるため、2019年に新設されました。
従来の技能実習制度が「国際貢献」や「発展途上国への技能移転」のためだったのに対し、特定技能は「国内の労働力確保」を主な目的にしている点が特徴です。

一定の専門知識や技能、そして基礎的な日本語能力を持つ外国人向けの就労用在留資格であり、建設や介護などの分野で受け入れが認められています。
そのなかでも外食業においては、接客や調理といった現場で活躍できる貴重な戦力として、多くの企業が積極的に「特定技能1号」の外国人労働者を採用してきました。

では、なぜ今回、外食業分野において新規受け入れの要となる「在留資格認定証明書」の交付が一時停止されたのでしょうか。
その理由は、政府が制度開始時に設定していた「受け入れ見込数(上限)」に到達することが見込まれたからです。

外食業分野における特定技能1号の在留者数は、2026年2月末時点の速報値で約4万6千人に達しました。
このままのペースで増加が続けば、5月頃には受け入れの上限枠である5万人を確実に超えることが想定されており、今回の一時停止の措置が取られました。

そもそも日本の出入国管理及び難民認定法(入管法)では、在留者数が受け入れ見込数を超える場合、在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置を講じるように定められています。
つまり、外食業界においては、多くの企業が外国人労働者の採用を積極的に進めてきたがゆえに、法で定められた上限枠を超えてしまったということでもあります。

定着率の向上と同時に優秀な転職者を獲得

コロナ禍を経て外食需要が本格的に回復した矢先に、新たな外国人労働者を確保するためのルートが狭まることは、店舗の営業規模の縮小や、サービス品質の低下につながるおそれがあります。

外食分野の特定技能は、ほかの在留資格と比べても活用しやすく、幅広い業務を任せられるのが魅力でした。
飲食物の調理補助だけでなく、ホールでの接客業務や店舗管理など、幅広い業務に従事することが認められています。
店舗運営を支える中核人材として育てることも可能だったため、特に外国人労働者を多く雇用していた大手外食チェーンでは、新たな人材確保の方法を探らなければならなくなりました。

ただし、すでに日本国内で特定技能「外食分野」の資格を持ち、就労している外国人材の「在留資格更新申請」は、通常通りに審査が行われます。
今回の受け入れ停止措置はあくまで「新規」の入国や資格取得に対するものであり、既存の労働者の更新は問題なく行われます。
したがって、現在自社で雇用している特定技能外国人がいる場合は、その在留期限や更新申請のスケジュールを早めに確認し、確実な更新手続きをサポートするようにしましょう。
新規の採用ができない以上、外国人労働者が安心して長く働き続けられるよう、生活面でのサポートや職場環境の改善を図り、離職を防ぎ、定着率の向上を図ることが重要になります。

さらに、すでに特定技能資格を保持している外国人労働者が、ほかの飲食店から移ってくる場合も、今回の措置の対象にはなりません。
既存の資格保持者の転職は認められているため、他社で日本の接客や調理の経験を積んだ「即戦力」となる外国人材を獲得する大きなチャンスでもあります。
人材募集の際には、給与などの待遇面の改善はもちろん、働きやすい職場環境の整備やキャリアアップ支援などをアピールして、優秀な外国人転職者から選ばれるようにしましょう。
また、現在働いている外国人スタッフから紹介してもらう仕組みをつくることも有効です。

特定技能の「外食業分野」における新規受け入れの一時停止は、慢性的な人手不足に悩む飲食店にとっては、新たな課題といえます。
しかし、既存スタッフの確実な在留更新手続きの徹底や、即戦力となる転職者獲得などの対策を講じることで、カバーすることもできます。
今回の措置に合わせた、自社で取り組める新たな人材戦略を考えていきましょう。


※本記事の記載内容は、2026年7月現在の法令・情報等に基づいています。