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開業届だけじゃない、美容室の開業に必要な各種届け出

26.06.30
業種別【美容業】
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美容室の開業にあたって、資金調達や店舗の内装工事などと同時に進めなければならないのが、各種の事務手続きです。
開業の際に必要な手続きといえば、まず思い浮かぶのは「開業届」でしょう。
しかし、お客の身体に直接触れるサービスを提供する性質上、実は開業届以外にも多くの届け出が必要になります。
プライベートサロンを開くのか、テナントを借りて店舗を構えるのかといった開業スタイルによっても必要な手続きは異なります。
美容室をスムーズにオープンさせるために知っておきたい、各種届け出について解説します。

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美容室を開業する際は開業届の提出が必要

美容室をオープンするために欠かせないのが、税務署への開業届の提出です。
開業届は、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、新しく事業を始めたことを税務署に知らせるための書類です。
原則として、事業を開始した日から1カ月以内に、店の所在地を管轄する税務署へ提出することになっています。
開業届は未提出でもただちに罰則が科されるわけではありませんが、原則として提出が求められます。
店を長く安定して経営していくためには、早い段階で提出しておくことをおすすめします。

開業届を提出するメリットは、確定申告の際に「青色申告」を選択できるようになることです。
青色申告は、最大で65万円の特別控除を受けられるなど、節税効果が非常に高い制度です。
美容室の経営には家賃や水道光熱費、材料費など多くの経費がかかるため、税金の負担を少しでも軽くできる青色申告は、経営を軌道に乗せるための大きな助けとなります。
ちなみに、特別控除を受けるためには、開業届と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

さらに、開業届の控えは、事業を行なっていることの公的な証明になります。
サロン専用の銀行口座を開設する際や、事業用資金の融資を金融機関に申し込むとき、あるいは美容商材を卸売業者から仕入れるための契約を結ぶ際にも、この控えの提示を求められることがあります。

開業届の用紙は税務署の窓口や国税庁のホームページから簡単に入手できます。
記入自体もそれほど複雑ではないので、準備の合間を見つけて早めに提出しておきましょう。

保健所や消防署などへの届出も必要

美容室は公衆衛生に深く関わる施設であるため、保健所への「開設届」の提出と施設の検査が法律で義務づけられています。
この開設届は、店の工事が完了する前、できれば設計の段階で一度保健所に相談に行き、事前に提出しておくとスムーズです。
なぜなら、美容室として営業するためには、作業室の床面積や洗髪設備の構造、換気や採光の基準など、満たさなければならない細かい施設基準が定められているからです。
もし、工事が終わってから基準を満たしていないことが判明した場合、高額な費用をかけて再工事をしなければならなくなります。
書類を提出した後は保健所の担当者による実地検査が行われ、基準をクリアして初めて「確認済証」が交付され、晴れて営業を開始することができます。

また、保健所と並んで重要なのが、消防署への届け出です。
お客の安全を守るため、建物の利用状況や消防設備について消防署へ報告する必要があります。
テナントを借りて内装工事を行う場合には、工事を始める前までに「防火対象物工事等計画届出書」を提出し、消防法に適合した設計になっているかを確認してもらいます。

そして、店が完成し、使用を開始する1週間前までには「防火対象物使用開始届出書」を提出します。
建物の規模や構造によっては、防火管理者を選任し、消防長や消防署長に「防火管理者選任届出書」を提出する必要があるほか、火災予防のための「消防計画作成(変更)届出書」が必要になることもあります。
これらは建物の大家が一括して行なっているケースもあるので、事前に賃貸借契約書を確認するか、管理会社に問い合わせておくと安心です。

税金に関しては、国に納める所得税の手続きとは別に、地方自治体である都道府県に対して行う手続きもあります。
各都道府県の税事務所へ「事業開始等申告書」を提出し、事業を開始したことを届け出ます。

また、サロン内に設置したシャンプー台やセットイス、デジタルパーマ機材などの高額な美容機器は「償却資産」とみなされることもあるため、市区町村に対して「償却資産申告書」を提出する必要が出てくるケースもあります。

さらに、法人を設立して開業する場合には「法人設立届出書」や「商業・法人登記申請書」が、従業員を雇い入れる場合には「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」や社会保険・労働保険関連の手続きなどが必要になります。

開業の際の届け出の種類と提出先は多岐にわたります。
まずは、開業スタイルに合わせてどの手続きが必要なのかを早い段階でリストアップし、期日を明確にしておくことが大切です。
場合によっては、各分野の専門家の力を借りながら、開業の準備を進めていきましょう。


※本記事の記載内容は、2026年7月現在の法令・情報等に基づいています。