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迫るタイムリミット! 相続登記の義務化における『2027年問題』とは

26.06.02
業種別【不動産業(登記)】
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2024年4月1日からスタートした「相続登記の義務化」から、およそ2年が経過しました。
法改正当初に「そのうちに対応すればよい」と考え、今も手続きを後回しにしている人は多いのではないでしょうか。
相続登記の義務化は、『過去の相続分』も対象で、2024年4月1日より前に相続が発生していたケースにおいても、原則として2027年3月31日が期限となります。
義務化が始まる前から不動産を相続していた人にとって、特に意識しておきたいタイムリミットと、期限を過ぎた場合のペナルティについて、解説します。

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不動産の相続登記の義務化をおさらい

これまで不動産を相続しても、不動産を取得した相続人に名義を変更するかどうかは個人の自由とされてきました。
しかし、その結果として「誰のものかわからない土地(所有者不明土地)」が全国で急増し、公共事業が進まない、災害復旧の妨げになるといった深刻な社会問題が発生しました。

この問題を解決するために導入されたのが、『相続登記の義務化』です。
新しいルールでは、相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に法務局で名義変更の手続き(相続登記)を行わなければならなくなりました。
これまで「名義を変えなくても、特に困らないから」と放置されていた慣習は通用しなくなったということです。

ここで注意したいのが、相続登記の義務化は「法律が変わる前の相続にも適用される」という点です。
たとえ何十年も前に発生した相続であっても、亡くなった被相続人の名義のままになっている不動産は、すべて義務化の対象となります。
そして、2024年4月1日より前に相続が発生していたケースについては、法律の施行から3年間の猶予期間が設けられています。
そのため、2024年4月1日時点で相続により不動産を取得したことを把握していた場合の期限は、原則として「2027年3月31日」です。

つまり、2024年4月1日以前から不動産を放置している相続人にとっては、2027年3月31日が相続登記の最終的なデッドラインとなります。
期限が近づくにつれて、全国の法務局や、手続きの専門家である司法書士の窓口は大変な混雑が予想されます。
書類の準備には時間がかかることも多いため、「まだ1年弱ある」ではなく「もう1年弱しかない」という危機感を持って、着実に準備を進めていきましょう。

相続登記を放置するリスクとペナルティ

相続登記のデッドラインが迫っていますが、「期限を少し過ぎたところで、特に困らないだろう」と楽観視するのは非常に危険です。
期限を過ぎると、さまざまなペナルティを負うことになるからです。

まず、正当な理由なく期限内に申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この過料で特に注意が必要なのは、不動産を相続により取得した相続人ごとに科される可能性があるという点です。
最終的には正当な理由の有無や法務局からの催告を経て判断されることになりますが、たとえば、もし1つの土地に対して不動産を相続により取得した相続人が10人いれば、合計で最大100万円の支払いが発生する計算になります。
せっかく資産を相続したはずが、放置したことで多額の出費を強いられてしまうことになりかねません。
世帯単位での負担が増大するリスクがあることは意識しておきましょう。

また、実務的な側面でも大きなリスクがあります。
名義が古いままの不動産は、現代の不動産取引においては、実務上活用しにくい資産になってしまいます。
不動産を売却しようと思っても、あるいはリフォームローンを組んだり不動産を担保に融資を受けようとしたりしても、現在の所有者の名義になっていなければ、銀行や買い手との交渉がうまく進まないことがあります。
不動産取引はタイミングが重要です。
いざ「売りたい」と思ったときに手続きを始めようとしても、そこから数カ月、場合によっては年単位の期間がかかってしまい、絶好のチャンスを逃してしまうことも少なくありません。

さらに深刻なのが、「相続の枝分かれ」です。
放置している間に別の相続が発生すると、当初は数人だった相続人が、孫や親戚など、数十人単位に増えてしまうことがあります。
そうなると、会ったこともない親戚から実印を押してもらう必要が出てきたり、認知症を患う相続人が現れて遺産分割協議が進まなくなったりと、権利関係が泥沼化する可能性が高くなります。
放置すればするほど、資産価値は落ちていく一方で、手続きの難易度とコストだけが膨れ上がっていくということです。

不動産の相続登記は、一見すると手間も費用もかかる面倒な手続きに思えるかもしれません。
しかし、2027年3月31日という期限は刻一刻と迫っています。
この『2027年問題』を放置することは、将来の自分や子どもたちに、ペナルティと解決困難なトラブルを押し付けることと同義といえます。
まだ手つかずの場合は、今すぐ相続登記の準備を行いましょう。

登記の手続きには、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成など、専門的な知識と時間が必要です。
自分たちだけで進めるのがむずかしいと感じたら、司法書士などの専門家に相談してみることをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2026年6月現在の法令・情報等に基づいています。