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多発する介護送迎時の事故! 事故防止に有効な対策とは!?

24.12.03
業種別【介護業】
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デイサービスなどの通所介護施設では、毎日利用者を自宅から施設まで安全に送迎する業務が行われており、重要な業務の一つとなります。
しかし、介護送迎中の重大事故や死亡事故のニュースが相次いでおり、事故防止の対策が急務となっています。
今回は、交通安全研修やマニュアルの整備などの事業所内で行えることから、アウトソーシングサービスの利用といった外部サービスの利用まで、事故防止に有効な方法を紹介します。

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介護送迎時に事故が起こる背景

介護事業所は人手不足の影響を受け、多くの事業所が65歳以上の高齢者を雇用している現状にあります。
特に送迎ドライバーの人材不足が顕著で、高齢の従業員に頼らざるを得ない施設も多数あります。
警視庁交通局が令和6年に発表した「令和5年における交通事故の発生状況について」によると、交通事故による死者数は2,678人(前年比2.6%増)、重傷者数は27,636人(同6.2%増)となっており、交通事故死者数は8年ぶり、重傷者数は23年ぶりに増加しています。
そのなかでも交通事故による死者数に対する65歳以上の高齢者の割合は、ここ10年以上50%を超えて推移しており、「ハンドルの操作不適」や「ブレーキとアクセルの踏み間違い」、「脇見運転」などが高齢者の自動車事故原因として大きな割合を占めています。
そのほか、介護事業所で起きた交通事故の事例としては、施設の管理責任者が人材不足により送迎業務を兼務していたための「疲労による居眠り運転」で事故を発生させたケースや、送迎時に利用者との会話や対応に気を取られたことによる「前方不注意」などのケースがあります。

送迎時の事故防止に有効な対策法

介護送迎時の交通事故は、運転手だけでなく利用者の生命にもかかわるため、事故が起きた場合、介護施設としても大きな損害が発生する可能性があります。
そのため、送迎業務は、常に安全に対する意識を持ち、施設として事故防止対策に取り組む必要があります。
次に、具体的な事故防止に有効な対策方法を紹介します。

●定期的な交通安全研修実施
介護送迎は業務として車両を利用していますので、使用者は送迎ドライバーに対して適切な安全運転教育を実施する義務があります。
安全運転研修などを実施していない状況で交通事故が発生した場合、使用者の管理責任が問われ、損害賠償責任を負うリスクもありますので、交通安全研修は優先して取り組むべき事項となるでしょう。
また、交通安全研修は時間の経過とともに「慣れ」が生じ、効果が薄れていきます。
効果を持続させるためにも定期的に継続して研修を実施することが必要です。

●送迎業務マニュアルの整備
通所介護施設の送迎は、基本的に「お迎え」「外出」「帰り」に行います。
心にゆとりを持って送迎業務に携わることが事故防止には必要不可欠ですので、送迎ルートの確認、所要時間、車いす送迎の方法、日常点検事項などの事項について「送迎業務マニュアル」として整備しておくことも事故防止対策として重要なポイントとなります。

●送迎業務のアウトソーシングサービス
介護送迎業務のアウトソーシングサービスとは、通所介護施設などの送迎業務を外部の企業に委託することです。
送迎業務のアウトソーシングにより、施設事業者の送迎業務に関する負担の軽減や、コスト削減が期待できます。
人手不足の事業所や、担当者の運転技術に不安がある場合などは特にメリットがあります。

●共同送迎サービスの活用
共同送迎サービスとは、複数の介護施設に通う利用者を共同で送迎するサービスです。
送迎業務を介護施設の業務から切り離すことで、職員の精神的負担の軽減につながり、施設内のサービス向上に注力できます。
また、共同送迎サービスは地域一帯で効率的な運行をすることを目的としていますので、コスト削減にも効果的です。
通所介護(デイサービス)の送迎減算は、令和6年度の介護報酬改定で「送迎先が利用者の居宅以外の場合は送迎減算が適用されない」などの見直しが行われました。
今後は共同送迎サービスの普及による送迎時の利便性向上やドライバーの確保問題の解消が期待されています。

自社の職員で送迎業務を行う場合は、継続した事業者の管理、安全運転教育、マニュアルの整備などが重要なポイントになります。
また、人材不足の事業所や職員の負担を軽減したいとお考えの場合は、外部への委託や共同送迎サービスを検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2024年12月現在の法令・情報等に基づいています。