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宝くじの当選金や競馬の払戻金は課税対象になる?

24.11.12
ビジネス【法律豆知識】
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誰もが一度は夢見たことがある一攫千金。
その道のりはさまざまですが、「もしも宝くじや競馬で高額当選したら……」と考えたことのある方は多いのではないでしょうか。
一方で、大金が舞い込むことになったときの税金の扱いについて考えたことのある人は少ないかもしれません。
今回は、宝くじの当選金や競馬の払戻金にかかる税金について解説します。

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宝くじの当選金は全額が非課税所得に

結論からいうと、宝くじの当選金はその金額の多寡にかかわらず、非課税です。
そのため、宝くじの当選金に税金はかからず、確定申告も必要ありません。
宝くじには、「ジャンボ宝くじ等の普通くじ」をはじめ、「スクラッチ」「ロト」「ナンバーズ」などの種類がありますが、いずれも非課税となっています。
また宝くじではありませんが、スポーツくじの当選金も同様に非課税です。
これらは「当せん金付証票法」という法律で定められています。

なぜ宝くじやスポーツくじの当選金が非課税なのかというと、宝くじやスポーツくじの購入金額にはすでに税金が含まれているためです。
つまり、購入者は購入時に税金を納めていることになるので、追加での支払いは必要ないという考え方になります。
そのため、当選金に税金はかからないものの、当選しなかったときも購入者は知らないうちに税金を支払っていることになるので、人によっては損に思えるかもしれません。

なお、当選金自体は非課税ですが、当選金を家族や友人に分配した場合は贈与とみなされ、通常の贈与税がかかるので注意しましょう。
これは、家族や友人とお金を出し合って共同で宝くじなどを購入した場合も同様です。
原則、当選金は当選金を受け取りに行った人のものとみなされます。
そのため、代表者一人が受け取りに行ってしまった場合は、分配するという行為自体が贈与とみなされ、分配時に贈与税がかかります。
こうした事態を避け、お金を出し合った人たちの間で非課税のまま分配するためには、購入者全員で当選金を受け取りに行く必要があります。

競馬などの公営競技は課税対象

では、競馬や競艇、競輪といった公営競技の払戻金はどういった扱いなのでしょうか?
実は宝くじの当選金とは異なり、公営競技の払戻金は課税対象となります。
これは、ほとんどの場合において、払戻金は一時所得とみなされるためです。
考え方自体は宝くじの場合と同じで、競馬などの公営競技の場合は購入金額に税金が含まれていないため、払戻金に税金がかかることになります。

しかし、宝くじや馬券などの購入時に、そのとき支払っている税金のことを意識する人は少ないでしょうから、宝くじと公営競技で税金の扱いが異なる点に、違和感を覚える人も多いかもしれません。
なお、払戻金が課税対象といっても、払戻金のすべてに税金がかかるわけではありません。
具体的には、年間50万円を超える利益が発生した場合に課税対象となり、確定申告が必要となります。
そのため、趣味で楽しんでいる範囲であれば、確定申告は不要という方がほとんどでしょう。

ただし、前述の通り、年間利益が50万円を超えた場合は確定申告が必要となり、該当しているにもかかわらず確定申告を行なっていないと、追徴課税などのペナルティを課せられ、結果的により多くの税金を支払うことになる場合があります。
1回で50万円を超える高額配当を得た場合はともかく、継続的に購入しており、結果的に年間で50万円を超える利益が出ている方などは、収支を把握していないケースもあるかもしれません。
しかし、そうした場合も確定申告は変わらず必要です。
払戻金の合計金額については都度把握し、所定の金額を超えた場合は確定申告を忘れずに行いましょう。

ちなみに、「払戻金が課税対象になるのであれば、競馬の外れ馬券の購入金額は経費になるのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、外れ馬券の購入金額は原則、一時所得の経費の対象外となります。
例外として、予想ソフトなどを使って購入している場合などは、払戻金が雑所得とみなされ、外れ馬券の購入金額が経費として認められた例もありますが、通常の範囲内の購入ではまず認められません。
基本的には「払戻金は雑所得ではなく、一時所得」「外れ馬券の購入金額は経費として認められない」と覚えておきましょう。

宝くじの当選金や競馬などの公営競技の払戻金は一見、似たもの同士のようですが、税金の扱いは大きく異なります。
それぞれ、分配方法や金額の多寡によっても確定申告の有無が変わってきますので、申告漏れを指摘されることがないように、それぞれの仕組みを理解のうえ、万が一のときに備えましょう。


※本記事の記載内容は、2024年11月現在の法令・情報等に基づいています。